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新型コロナウイルスの拡大開始から丸3年。スーパーの売上はどう変化した?④【お盆に向けてGW振り返りと惣菜編】

全国的に梅雨真っただ中ですが、先日沖縄では梅雨明けが発表され、夏本番が近づいてきています。今回は、前回までの記事の続編としてスーパーのお惣菜の状況を見ていくとともに、夏の大きなイベントであるお盆がどうなるかについても少し考えてみたいと思います。

【以前の記事はこちら】
新型コロナウイルスの拡大開始から丸3年。スーパーの売上はどう変化した?①【全体の変化と農産編】
新型コロナウイルスの拡大開始から丸3年。スーパーの売上はどう変化した?②【水産編】
新型コロナウイルスの拡大開始から丸3年。スーパーの売上はどう変化した?③【畜産編】


●2023年GWの状況から見る2023年のお盆の動向は?

2023年のお盆を考えるにあたり、直近にあった大きなイベントであるGWの状況を振り返ります。

まずは、2019年GWと比較した時の2020年~2023年GWの人出の状況を見てみました。初めて緊急事態宣言が発出された直後である2020年GWはどの地域も人出が大きく減少しましたが、年々回復傾向となっているのが分かります。特に近畿地方では直近の2023年GWは2019年を超える人出となっていました。普段の人出も2019年並に回復してきていますが、連休においても動きが活性化してきています。

また、2022年までのお盆週は図②のような動きとなっていました。

おおむねGWと類似した動きとなっており、2023年のお盆も昨年までに比べ人出が多くなると予想しても良いのではないでしょうか。

次に、スーパーの状況も見ておこうと思います。

まずこちらは業態別の人出との相関をまとめたものになります。スーパーは人出と負の相関がみられ、人出が減ると売上が増加し、人出が増えると減少する傾向にあります。

図①より2022年に比べ2023年は人出の増加がみられましたが、実際にスーパーのGW週の部門別の売上金額前年比を見てみるとほとんどの部門で前年を割ってしまっています。人出の増加はスーパーにとってはやや逆風の動きとなるため品揃えを工夫していく必要がありそうです。

図⑤は人出が増えた時にスーパーで売上増加が見込まれるカテゴリーです。人出の動きと売上金額の動きを比較し、相関の高かったカテゴリーを抽出しています。例えば、青色で色付けた持ち運びできる飲料や、オレンジ色で色付けた団らんメニューなどが並びます。夏場なので元々飲料の売上が高かったりお盆は団らんメニューが増えたりしますが、昨年以上に強化が必要になってくるのではないでしょうか。品揃えを考える際の参考にして頂ければと思います。

●惣菜部の動向と特に狙い目のカテゴリーは?

続いて、惣菜部の動向について見ていきたいと思います。

こちらは惣菜部の分類別の月別売上金額推移です。前回の記事でも使用しましたが、より分かりやすく売上の変動をみるために季節性をなくして見ることの出来る12か月移動平均値もとっています。こちらの見方としては、例えば2019年12月の点線の値は2019年1月~12月の1年間の平均値、2020年1月の値は2019年2月~2020年1月の1年間の平均値というように、1か月ずつ移動させながら12か月の平均値をとったものになります。おかず惣菜、主食惣菜ともに増加傾向であることが見て取れます。

さらに変化を見やすくするために、12か月移動平均をとり、2019年1年間の平均値を1としたときの指数変化で比較しました。どちらも伸びていますが、特に主食惣菜が好調に推移していることが分かります。

●主食惣菜で特に好調なのは?

まずは好調な主食惣菜についてもう少し細かくみてみます。

こちらは主食惣菜のカテゴリー別月別売上推移です。

変化をより分かりやすくするために指数推移でもあらわしてみました。

どのカテゴリーも2019年以上の売上金額を保っていますが、その中でも麺惣菜、米飯惣菜、パン惣菜の伸びが大きくなっています。この中で売上金額も大きい米飯惣菜ですが、さらに細かいカテゴリーの動きは下図のようになっています。

米飯惣菜の中でも丼物の売上が大きく、伸びていることが分かります。

この丼物ですが、単価別の売上推移を見るとここ1年ほどで変化が見られました。

最もボリュームの大きい300円台の商品の売上が減少傾向にあり、400円台や500円以上の高価格帯が増えてきています。また、具体的な丼の種類としては特にカツ丼の売上が大きく伸びてきている傾向が見られました。高価格帯の増加は原材料の高騰による部分もあるかと思いますが、付加価値のあるこだわりの丼物についてもしっかりと取り組んでいきましょう。

●おかず惣菜のバラ販売はどうなっている?

おかず惣菜については、コロナ禍によりあまり見かけなくなっていたバラ販売がどうなってきているのかを見てみたいと思います。以前の記事で、コロナ禍における天ぷら惣菜の価格帯の変化を紹介しました。(スーパー惣菜部の売上げがコロナ禍以降の不振から回復傾向!背景にあるシーン・求められているコトとは?)2019年から2020年にかけて価格帯別の売上に大きな変化がみられましたが、2022年までその変化を追ってみます。

こちらは天ぷら惣菜の価格帯別売上割合を見たグラフです。コロナ禍も落ち着いてきてバラ販売も戻りつつあるのかな?と予想していましたが、年々バラ販売の低価格帯の売上割合は減少し、300円以上の高価格帯が増加してきている状況でした。

直近の単価別の売上推移を見ても同傾向であり、低価格帯の回復はみられません。人出が増えたりマスクをつける人が減ってきたりしてはいますが、現状、コロナ禍前のようなバラ販売売り場の復活にはまだ時間がかかりそうです。スーパーに限らず感染対策は継続されている状況ですので今の所はまだ天ぷらセットなどの高価格帯の商品をしっかり売っていきましょう。


4回にわたり、スーパーの各部門の動向について取り上げさせていただきました。コロナ禍で世の中は大きく変化しましたが、現在はコロナ禍前に戻った部分、戻っていない部分、新しい傾向が出てきた部分と様々です。今後もどう変化していくのか、調査を続けていきたいと思います。

●2023年のお盆はどのように過ごす予定ですか?投票(Vote)をお願いします!

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