みなさまはクリスマスに何を召し上がります?本日は、クリスマスメニューの定番の一つ「PIZZA」についての記事を投稿させていただきます。
#11月20日はピザの日 だそうです彡
目次
突然ですが問題です!
お惣菜やベーカリー部門のそのまま食べられる「➀お惣菜PIZZA」
主に日配コーナーで冷蔵販売され、家で調理する「➁半惣菜PIZZA」
冷凍食品コーナーの、これまた家で調理して食べる「➂冷凍PIZZA」
どの「PIZZA」の売上が高いでしょうか?
正解は‥‥「➁半惣菜のPIZZA」
スーパーマーケットにおいて、最も売上が高いPIZZAは、主に日配コーナーで冷蔵販売されている「家で調理して食べる半惣菜PIZZA」です。半惣菜のPIZZAがスーパーマーケットPIZZA全体の実に65%を占めています。
こちらは半惣菜のPIZZAの月別売上金額推移です。以前の記事でも使用しましたが、より分かりやすく売上の変動をみるために季節性をなくして見ることの出来る12か月移動平均値もとっています。こちらの見方としては、例えば2019年12月の点線の値は2019年1月~12月の1年間の平均値、2020年1月の値は2019年2月~2020年1月の1年間の平均値というように、1か月ずつ移動させながら12か月の平均値をとったものになります。
半惣菜PIZZA売上推移は良好で、なだらかな増加傾向が伺えます。
さらに変化を見やすくするために、12か月移動平均をとり、2019年1年間の平均値を1としたときの指数変化で比較をしました。食品全体や他の部門さまの推移と比べると、好調具合が際立ちます。「半惣菜PIZZA」市場は過去20年間で5倍以上拡大し、現在では450億(推定値)の巨大市場となっています。
本日は、そんなスーパーマーケットにおけるPIZZAの主役「半惣菜PIZZA」のPOSデータを確認することで、求められている人気メニュー(具材)や、伸長している理由に迫りたいと思います。
みなさまはじめまして
本編に入る前に自己紹介を少しだけさせて下さい。スーパーマーケット大好き ニシムラと申します。新たに食未来研究室に仲間入りした新人です。#38歳男 #子供は2人 #趣味は食
「読んで下さった方の為になる」と肩ひじ張って欲張らず、「良い暇つぶしになる」を目標に投稿させていただきます。そんな新米研究員をどうぞよろしくお願いします! ※「#」の使い方あってます?
ランキングの発表の前に、まずは基本情報として、半惣菜PIZZAが「いつ」「どの様な方」に購入されているか抑えておきたいと思います。
半惣菜PIZZAは、食品全体と同様の傾向として、5月8月12月の3つの売上の山がありますが、特に12月の構成比が高くなっています。
図➄は青の棒グラフで2022年12月の全国スーパーマーケット1店舗あたりの半惣菜PIZZA売上を、赤の折れ線で同日前年比を記しています。最も売上が高い日はクリスマスイヴの12月24日。年間を通してもこの日の売上が最も高くなっています。 赤の折れ線(同日比)が荒れていることから、曜日周りが売上に大きく影響していそうです。
実際に平休曜日別の実績を確認してみると、半惣菜PIZZAは休日、特に土曜日の購入率が高いと言えそうです。そんな半惣菜PIZZAですが、どの様な世代の方が購入されているのか、こちらも食品全体と比較して見ていきます。
年代別の売上構成を確認すると、半惣菜PIZZAは若年層に強い傾向があると言えそうです。この特徴は惣菜PIZZAの購入者層以上に顕著で、30~40代からの強い引き合いが伺えます。半惣菜PIZZAは、ヤングファミリーが多い30—40代からの支持が高く、平日よりも週末に良く売れます。
そんな、「休日」そして「ヤングファミリー層」に刺さる「半惣菜PIZZA」のメニューランキングをみていきたいと思います。
半惣菜PIZZA商品の内、商品名が確認できる169品を図4の23メニューに仕分けを行い、メニュー毎にデータを確認します。
まずは商品数。最も多かったメニューはマルゲリータの33商品。トマトソースの上にモッツアレラチーズとバジルを載せたPIZZAの源流の一つであるナポリピッツァの定番メニューが堂々1位にライクイン。以降「チーズ」「ベーコン」「クワトロフォルマッジ」と続きます。
続いて売上を確認していきます。市場が拡大している「半惣菜PIZZA」のメニュー別売上ランキングはこちら。
売上1位は商品数と同様で「マルゲリータ」という結果に。全売上の実に1/3がマルゲリータの売上です。
売上ランキング2位は、直近1年で大きく支持を上げた「ソーセージ」。大手ハムメーカーさまの銘柄入り商品が好調の様です。一方、商品数から考えると「クワトロフォルマッジ」の順位が低いことが気になります。実際に同時期の一年前の順位は4位。「5種のチーズ」「6種のチーズ」とクワトロ以上に謳った商品も直近1年においては、実績を落としています。PIZZAにおいては数を謳うトレンドは落ち着いたという事かも知れません。
参考として「大手チェーン外食店」「宅配ピザ専門店」の同期間における出数ランキングを確認してみると、こちらでも「マルゲリータ」の人気が伺えます。
ファミリーレストランを中心とする大手チェーン外食ではお子様向けに「コーン」が多く、宅配ピザでは「プルコギ」を中心とした「焼肉」人気が伺えます。
新店舗の目玉MDとしても人気の「PIZZA惣菜」や、今やスーパーマーケットの注目の売り場である冷凍食品売り場(年々需要が高まる冷凍食品。冷凍食品の現状と、今伸びてきているものは?)の「冷凍PIZZA」。これらの売上を圧倒的に凌駕する「半惣菜PIZZA」。 人気の理由をPOSデータから考えてみます。
〈理由1〉圧倒的なコストパフォーマンス
上記はJANがないPB商品を除いた「ホールタイプ」に限定した上位10商品の実績になります。人気の理由として、真っ先に考えられるのがお手頃価格という点です。PIZZA購買において最も重要な要素の一つである「1枚単価」の点において「約225円/枚」という価格は、特にPIZZA惣菜ではその再現性は、(現況では)ほとんど無いと言えます。 この圧倒的なコストパフォーマンスは、強い魅力と言えることでしょう。
〈理由2〉高い利便性
惣菜や冷凍食品の魅力に調理の利便性が挙げられます。
畜産や水産の味付け半惣菜は、「タレ漬」や「パン粉付き」商品において、フライパンでの焼成や油調といった調理行程が必要となりますが、PIZZA半惣菜においての調理は「オーブン調理」や「レンジ調理」となっており、惣菜品のリヒートや冷凍食品の調理と工程上の差がないことも大きな魅力と言えそうです。 PIZZAというメニューの特性上、チーズがとろける温度で食べたいですよね♪
〈理由3〉高いアレンジ力
こちらのグラフは、半惣菜PIZZAと一緒に購入される商品を示したものになります。赤い折れ線がリフト値(一緒に買われやすさ)、を示しており、左からリフト値の高い商品上位15品を記載しています。※青の棒グラフは同時購入率
まずは「スナック類」や「フライドチキン」等の同時購入から、「パーティー食卓」が想像できます。これは、宅配ピザを代表とするアメリカンピザのサイドメニューと似た兆候です。
更に「ナチュラルチーズ」や「生ハム」でカプレーゼやサラダ等の前菜。 「グラタン」や「パスタ」も一緒に食べるといった、ナポリピッツァ専門店さながらのワインが似合う「オシャレな食卓」も想像することができます。
これまで意図的にピザを「PIZZA」と表記してきましたが、半惣菜PIZZAにおいては、皆で集まりワイワイ手で食べる「ピザ」と、ナイフとフォークで一人1枚食べる「ピッツァ」の両方のニーズを汲んでいると言えるのではないでしょうか?まさに高いアレンジ力です。
また、「ナチュラルチーズ」は、「モッツァレラチーズ」だけでなく「シュレットチーズ」の数値も高いことから、トッピングとして「チーズ増量」の大いにシーンも想像できます。更に美味しく食べたいニーズの現れです。
半惣菜PIZZAの人気の理由は、「簡単に」「好きなシーン」で美味しく、「コストパフォーマンス」良く、愉しむことが出来ること。とまとめさせていただきます。
本日は半惣菜PIZZAについての記事を投稿させていただきました。
子供の頃から宅配のアメリカンピザを特別な日の大のご馳走として食べている世代からすると、マルゲリータをメインとしたナポリピッツァが定着した今でも、1人一枚のピザはやはり贅沢に感じます。この「贅」への感覚こそ、半惣菜PIZZAのお得感を支え、市場の拡大に寄与しているのかもしれません。
今年のクリスマスもPIZZA食べます。
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