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どうなるどうするお盆商戦!「今年のお盆の過ごし方」アンケートを分析!
~今年のお盆商戦を勝ち抜くポイントとは?~

少しずつコロナ禍による自粛の解除が進み、経済活動が再開されつつありますが、日々の感染者数の発表はまだまだ続いており、withコロナの状態が継続しています。このような中で夏休みの旅行予定や、お盆休みの帰省予定をどうするか悩んでいる方の声がSNSにあふれています。そして同じぐらいお盆商戦がどうなるのか?に悩んでいる業者さんの声も多くなっています。
今年のゴールデンウィークの帰省需要・行楽需要はほぼ完全に蒸発してしまいましたが、本ホームページで実施した「今年のお盆の過ごし方に関するアンケート(実施期間:6/19~25、回答者数:195人)」によると、お盆休み需要はある程度は復活するのではないかと予測します。お盆期間の交通や宿泊関連の予約も比較的順調に入ってきているという報道も多くなってきています。もちろん前年の水準には及びませんが、去年までの消費動向が参考になるぐらいには需要は戻ると思われます。今回は今年のお盆需要の予測と、お盆商戦対策についてお話させていただきます。


●今年のお盆アンケートの結果は?

スーパーにとってのお盆商戦の重要性は売上状況を見れば一目瞭然です。

ご覧の図①ように週単位での売上はクリスマス・年末の週に次ぐ売上規模となっており、スーパーにとっては負けられない期間となります。

またお盆は外食にとっても重要な商戦期間です。

年によって若干の逆転はありますが、ゴールデンウィーク、お盆、クリスマス・年末が外食にとって最も重要な週ベスト3であることがわかります。そして今年はご覧のようにコロナ禍によってゴールデンウィークの外食需要がなくなってしまいました…。(図②)

このようにお盆はスーパーにとっても外食にとっても重要な商戦期間ですが、果たして今年のお盆需要はどの程度戻ってくるのでしょうか?本ホームページで実施した「今年のお盆の過ごし方に関するアンケート」から、昨年と今年のお盆の過ごし方の違いについてまとめてみました。(図③)

今回のアンケート結果からは、お盆期間の帰省実施率は前年と比べて約75%となっており、地域や人によって受ける印象が違うかとは思いますが、意外と高い数字になったのではないでしょうか。ただ、自宅や自宅周辺で過ごす方は約1.5倍に増加しており、旅行実施者も前年比で約70%と、昨年とは違うお盆期間になることもはっきりしてきています。

昨年までと比べてお盆期間に控えることは?の質問では、人ごみや大人数での集まりを避けたり、公共交通機関による移動や外食を控える回答が多くありました。(図④)

また、自宅や自宅周辺で過ごす方の実施予定では、家の中で過ごす方が多く、家でのバーベキュー実施予定もあることから、家での食事にお金を使ってもらえそうな結果も出てきています。(図⑤)

帰省先での過ごし方も、家での団らんを選ぶ方が多くいらっしゃいました。(図⑥)全国での7月8月の花火大会は8割が中止されており、都内での7月8月の花火大会は全滅のようです。また、祭りのようなイベントも中止が決まっているものが多いことから、今年は実家であるいは自宅でいかに快適にゆっくりのんびり過ごせるようにするか?が昨年まで以上重要視されるのではないでしょうか。そしてそのためにスーパーで出来ることは何があるのか?が今年のお盆商戦のポイントになるのではないでしょうか。
「今年のお盆の過ごし方」アンケートでは「お盆にスーパーにあったら嬉しいサービスや商品はありますか?」という自由回答の項目も設けましたが、その回答がヒントになると感じました。

・おつまみ回答例…自宅で楽しめるおつまみ、家飲み用のおつまみセット
・オードブル回答例…全年齢で幅広く食べられるオードブル、少量で多品目のオードブル
・いいもの回答例…少し高いが普段食べれない高級なお肉やお刺身、普段外食でしか食べないような食材
・焼肉、バーベキュー回答例…自宅で楽しめるバーベキュー・焼肉のセット、バーベキューセットの貸し出しや関連商品の販売
・少人数回答例…2~3人用のおつまみセット、少人数用のオードブル・おつまみセット
自由回答からいくつか取り上げさせていただきましたが、家で美味しいもの、ちょっとした贅沢を感じられるもの、への要望が多いように受け止めました。また一方で、少人数用の商品を求める声も多くあり、帰省しない方、自宅で家族だけで過ごす方への対応も必要なことがわかります。
こういった「今年のお盆の過ごし方」アンケートから見えてきたスーパーに求められるコトについて各部門ごとに見ていきます。


図①において、スーパーにおけるお盆週の売上上昇について掲載しましたが、部門ごとによってその影響は違います。(図⑧)

最もお盆期間の増加度合いが大きいのが、農産部の花類と果物です。続いて惣菜部や酒類、菓子の増加度が大きく、水産部・畜産部でも一部商品に大きな影響があります。飲料も高いように見えますが、飲料は夏にピークが来るため、たまたまお盆時期も年間平均と比べれば特化度が高く見えてしまいます。また、3月~5月のコロナ禍では苦戦した惣菜部の対応が重要になってきます。それぞれの部門について詳しく見ていきます。 なお、2019年8月と今年2020年8月のお盆の曜日周りも確認しつつ読み進めていただければと思います。 (図⑨)

●農産部では果物でお盆特化度高いもの多い。野菜は枝豆のみ。

花類はお盆期間の前半に売上ピークが来る傾向があります。野菜はお盆で増加するものは枝豆ぐらいで、他にお盆期間に増減するものはありません。
農産部で影響が大きいのは果物です。(図⑩)

ぶどう、梨、桃、すいか、メロンといった旬の果物がお盆時期に目立って売上が増加します。というよりはこれらの果物の年間で一番売れるのがお盆の時期となっています。また、旬ではない果物のリンゴやみかんもお盆の時期には購入が増える傾向となっています。そしてお盆の時期は単価の高い品種、品質のものが特に良く売れます。果物も比較的お盆の前半にピークが来るので、今年の曜日周りの場合は8月8日(土)~12日(木)が強化のタイミングではないでしょうか。

●水産部では刺身盛り合わせを強化。本まぐろなどの高級品が伸びる。

水産部の売上上位カテゴリーでは、刺身盛り合わせがお盆時期に大きく売上を伸ばします。(図⑪)刺身盛り合わせが年間で最も売れるのは年末年始ですが、次に売れるのがお盆時期です。単品刺身では本まぐろが良く売れます。そして刺身盛り合わせの単価もお盆時期は高単価に大きくシフトします。 (図⑫)

ご覧のようにお盆期間は単価1,000円以上の刺身盛り合わせが通常の2倍以上売れています。近年ではお盆期間の刺身盛り合わせの高単価化が進んでいるようで、今年はコロナ禍による外食を控える動きも考慮すると、強気の品ぞろえで勝負しても良いのではないでしょうか。高単価の刺身盛り合わせの売上金額はお盆期間のちょうど真ん中をピークの山にする傾向があるため、今年の場合は、8月9日(日)~14日(金)が強化タイミングではないかと予測します。少し見切りが早いかもしれませんが、今年はコロナ禍による夏休み短縮で、8月17日(月)から学校が始まる予定のところも多いため、8月15日(土)を移動日に当てる家庭も多いのではないかと考えています。

●畜産部では牛肉を強化。メニューは焼肉。和牛や国産銘柄牛などの「いいお肉」が伸びる。

畜産部ではお盆期間は牛肉が伸びます。メニューとしては焼肉用、バーベキュー用で、特に和牛や国産銘柄牛などのいわゆる「いいお肉」が特にお盆に特化してきます。お盆期間に売れる牛焼肉パックの単価を見ても単価1,500円以上のセットが良く売れます。(図⑭)

そしてこれらの単価の高い牛焼肉パックはお盆の前半に売れます。(図⑮)

単価1,000円以上、2,000円以上の牛焼肉パックがお盆前半に買われていますが、お盆が終わった週末には単価500~1,000円のパックに戻していることが良くわかります。今年の場合は8月9日(日)~13日(木)ぐらいが高単価焼肉商品の強化タイミングではないでしょうか。

また、「今年のお盆の過ごし方」アンケートでは家でのバーベキューの実施意向も強く感じました。お肉だけでなく、野菜や水産物を取り入れたバーベキューセット商品や、使い捨てバーベキューコンロ(近年検索上昇中のようです!)なども売場に並べていくことで、バーベキュー需要を促す売場づくりも今年はさらにチャンスかもしれません。

●惣菜部では団らん需要とおつまみ需要を獲りにいく商品展開を。

おかず惣菜ではオードブル惣菜のお盆特需が良くわかります。また、天ぷら・から揚げ・焼鳥もお盆時期に上昇します。逆にコロッケの売上が少し減少するのも毎年の特徴となっています。(図⑯)
オードブル惣菜は地域や立地で需要が大きく異なってくるため、注意が必要です。また、オードブル惣菜は団らん需要のメインとなる商品ですが、今年は帰省での団らん需要とともに、帰省しない家庭の家族単位の団らん需要にも対応していく必要があるため、サイズ展開が読みにくい部分があります。
そこで、団らん需要への対応策のひとつとして、単品大パックの強化を提案いたします。

こちらは天ぷらの単価別の年間全体での構成比と、お盆期間の売上の構成比の比較ですが、お盆期間には400円台以上の天ぷらパックが売れていきます。(図⑰)から揚げや焼鳥も同じ傾向があり、こういった大パックのバンドル販売サービス―3パック同時購買で値引きサービスなど―もひとつの対策として良いのではないでしょうか。

また、「今年のお盆の過ごし方」アンケートでもあった、おつまみ需要への対策も重要です。

ビールや新ジャンル(第三のビール)がお盆に良く飲まれています。最近お盆期間の伸びが見えてきているのが、リキュール類、特にチューハイです。過去の記事「増える家呑み。高まるおつまみ需要。各部門でお酒と一緒に購入されるカテゴリーとは?」でも取り上げましたが、お酒とおつまみには深い購買関係があります。つまみ菓子もお盆に売上が伸びますが、つまみの種類によって買われやすい年代が異なります。 (図⑱)

ご覧の図⑲のように畜産おつまみは若年寄り、水産おつまみは高齢寄り、農産おつまみはその中間となっています。
お惣菜においてもお盆のおつまみ需要としっかりととっていけるような商品ラインナップが必要です。

主食惣菜ではとにかく寿司の強化です。にぎり寿司、巻物、いなり・助六のお盆特需をしっかりととっていく必要があります。
メインはやはり、にぎり寿司の盛り合わせ。約1,000円以上の高単価の寿司パックがお盆期間は売れ筋となります。(図㉑)

こういった高単価寿司パックは、お盆直前の週末から売上が上がり始め、お盆の入り時期にピークを迎える流れになっていることから、今年の場合には、8月9日(日)~13日(木)ぐらいが強化タイミングではないかと予測します。

●その他、団らん需要、お供え需要を押さえる

その他、乾燥冷麦素麺や和風半生菓子など、お盆にピークを迎えるもの、お盆に良く売れるものを理由別に一覧にまとめてみました。

お盆に売れるものには、お供え需要・団らん需要・いいもの需要・旬の需要といろいろありますが、今年はいいもの需要のところがキーポイントになるのではないかと予測します。他の楽しみにお金を使いにくいことから、食での楽しみ・贅沢感を求める生活者が多くなるのではないでしょうか。「今年のお盆の過ごし方」アンケートでもありましたが、外食でしか食べられないような素材や料理の商品化に取組むチャンスもあるように感じます。コロナ疲れの生活者の夏の癒し、夏の思い出づくりを助けられるような、商品づくり・売場づくりをお盆商戦には取り組んでいく必要があると感じました。


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