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【2020年餃子日本一は浜松市】「2020年上半期の餃子日本一は宮崎」の理由とは?

この章は2021年2月5日に追記しました。
2020年の「家庭で消費される餃子」の支出額日本一を決める総務省統計局の家計調査のデータが本日、2021年2月5日に発表されました。
2019年の1位は宇都宮市でしたが、2020年の餃子日本一は浜松市となりました!

このページでは半年にわたって都市別の餃子支出額をレポートしてきました。
宇都宮市と浜松市の2強構造に対し、上半期は宮崎市が日本一になり、にわかに三つ巴の様相を呈してきました。
その後、浜松市が失速し「宇都宮市と宮崎市の一騎打ち」の流れになってきたのですが、浜松市が8月意向猛追を見せて先の見えない乱戦となりました。
11月終了時点で1位の宇都宮市と3位の宮崎市の差がわずか51円と、12月データが出るまで勝負の行方はいかに?といった状況だったのですが…
2020年の年間の「家庭で消費される餃子」支出額日本一は上述のように浜松市となりました。
餃子好きの著者としては、どこが1位となっても、それぞれの都市で餃子が愛されているのが嬉しい限りです。

例年にない盛り上がりを見せた2020年でしたが、2021年の日本一はどうなるのでしょうか?
そもそものデータのとられ方から餃子の現状についてまとめていますので、本記事を改めてご覧いただければと思います。


目次

プロローグ

毎年、宇都宮と浜松の餃子日本一争いが話題になりますが、図1にありますように2020年6月までの支出金額で宮崎が宇都宮をおさえて1位となり、今年は番狂わせが起きそうな予感です。

今から10年前の2010年、宇都宮の餃子支出額5,020円に対し2,271円と半分以下だった宮崎が「2020年上半期日本一」となったのには、どのような理由があるのでしょうか?また宇都宮や浜松、京都など他の餃子都市が逆転日本一を獲得するためにはどのような取り組みが必要なのでしょうか?筆者が愛してやまない餃子の活性化を祈ってデータから見る餃子の世界をご紹介します。

餃子消費日本一を決めるデータはどう集計されている?

外食?惣菜?手作り?そもそも日本一を決めるのはどんなデータ?

ランキングの基準となる金額は総務省統計局が発表している「家計調査」の「品目分類コード10920070」の「371ぎょうざ」という項目になります。しかし、餃子は外食することもあれば、冷凍食品や手作りの餃子など様々なシーンがありますが、この「371ぎょうざ」は私たちが普段食べている餃子のすべてを網羅しているかといえばそうではありません。ここをしっかり把握することが餃子対決を制する上で重要なポイントになりますので、総務省統計局にも確認していただき表1にまとめてみました。

え?と思われた方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。小売店で売られている即食できる完成品、つまり惣菜コーナーで売られている餃子と加熱調理が必要なチルド品、つまり日配コーナーで売られているチルド餃子、そして通販で購入したチルド餃子の3種類だけが「371ぎょうざ」の集計対象となっており、外食店、冷凍食品、手作りは含まれていません。ランキング上位を狙うにはいかに惣菜の餃子とチルドの餃子を買ってもらうかがポイントになります。

都市別の「371ぎょうざ」データは二人以上世帯、総世帯の2つ公開されている

餃子だけでなく外食費や電気代、旅行費など消費全体の支出を調べている家計調査ですが、1人暮らしの「単身世帯」、夫婦や家族など世帯人員が二人以上の「二人以上世帯」、単身世帯と二人以上世帯の全ての世帯を含む「総世帯」の3世帯別に集計されており、表2にあるように、このうち都市別にデータが公表されているのは二人以上世帯と総世帯だけ、更に月別は二人以上世帯だけとなります。

したがって2020年6月時点で宮崎が1位というのも実は二人以上世帯だけでの順位となります。2019年の国民生活基礎調査によると単身世帯は1,491万世帯あり、総世帯5,179万世帯の約3割を占めていることを考えると、厳密にランキングをつけるのであれば総世帯で見るべきではないかと思います。

実は絶対王者。総世帯でランキングをすると宇都宮が8年連続日本一

二人以上世帯と総世帯でそんなに順位が変わるの?と思われるかもしれませんが、表3を見てください。 浜松が家計調査の統計対象都市に加わった2008年から宇都宮と浜松の「371ぎょうざ」ランキングを総世帯と二人以上世帯で見たものになります。

総世帯では2008年から2019年の12年間で宇都宮の日本一陥落は2010年と11年の2回しかありませんが、二人以上世帯に限定すると浜松と6回ずつ首位を分け合っている形となります。ライバル関係があるからこそ盛り上がるところもあり水を差すようで不本意なのですが、総世帯で見ると実は2013年から宇都宮が8年連続日本一となります。

新型コロナウィルスが餃子に与える影響

表1で見たように餃子は餃子の皮、チルド餃子や冷凍餃子に餃子惣菜と様々な商品カテゴリーがあり、これらのスーパーでの売上構成比を見てみると図2にありますように冷凍餃子の占める割合が最も高いようです。

新型コロナウィルスの感染拡大によって社会やライフスタイルは大きく変わりましたが、餃子の各商品カテゴリーはどのような影響を受けたのでしょうか?

図3は 各商品カテゴリーの売上の12か月移動平均を算出し、2019年6月の値を1として指数化し影響度合いを見たものです。コロナ以前から好調だった冷凍餃子と餃子惣菜ですが、感染予防などの要因から買い物頻度が減りまとめ買いが増えた結果、日持ちのする冷凍餃子の需要は大きく上がり、逆にすぐに食べなければいけない餃子惣菜は売上を落とすという明暗が分かれる結果となりました。逆にコロナ以前は不調だったチルド餃子と餃子の皮はステイホームで内食需要が増えた結果、売上が回復してきています。特に餃子の皮は強く伸びており、コロナで外出できない分、調理に時間をかけるようになったことが伺えます。

おまけ。スーパーで売れている冷凍餃子売上ランキング

前述のように新型コロナウィルスの影響で冷凍餃子のニーズは伸びてきており、市場も大きく注目のカテゴリーなのですが今回のテーマである「371ぎょうざ」の集計対象外であるため、この記事ではこれ以後は取り上げられることはありません。冷凍餃子が好き!という方も多数いらっしゃると思いますので売れ筋のランキングだけでも掲載させていただきます。図4はコロナ期間である2020年3-8月の間のスーパーで売られている冷凍餃子の売上金額ランキングになります。

スーパーで販売されている「おかず」となる冷凍食品の中では、餃子はから揚げやハンバーグなどの人気メニューをおさえて一番大きな売上を構築しています。そんな大きな市場なので商品同士の競争も激しいのではと思われましたが、トップ10内に5品がランクインするという味の素さんの強さが目立っていました。

2020年上半期に宮崎が日本一になった理由とは?

総世帯でランキングは語られるべきとか言っておいて、二人以上世帯で語るのは申し訳なく思いますが、総世帯のデータが出るのは2021年の2月を待たねばならないのでご容赦いただければと思います。

宮崎は餃子を提供する飲食店も多い?

前述したとおり「371ぎょうざ」の集計対象は家庭での消費状況で飲食店での支出は反映されていませんが、市内に餃子を提供する飲食店が多ければ、家庭消費を促進する一つの要因になるのではないでしょうか。
グルメ検索サイトの食べログで宇都宮市、浜松市、宮崎市で餃子を提供している店舗数を調べ、市民10万人当たりで見てみると図5のようになり、宇都宮市は全国の3倍以上と圧倒的、浜松も2倍の店舗数とさすがの2強ぶりです。

宮崎は全国平均以上ではありますが、宇都宮、浜松と較べると少ない印象です。チェーン店の状況はどうでしょうか?餃子と一緒に検索される単語として最も多いのが王将ですが、餃子の王将さんや大阪王将さんなど各チェーン店のホームページから都道府県別の10万人あたり店舗数を調べてみたのが図6です。

餃子の王将さんは関東ではまだまだシェアが低い、幸楽苑さんは東日本、リンガーハットさんは全国まんべんなく出店しているなどチェーンごとの出店状況が分かりやすく見えてきます。宮崎県は餃子を提供するチェーン店の出店も比較的少なく、宇都宮や浜松のように餃子を提供する飲食店の影響で家庭でも餃子を食べる、という消費スタイルでは無いようです。

メディアでの紹介が引き金になった?

宮崎での「371ぎょうざ」の消費を月別に見ることで、どのタイミングで宮崎市民の餃子スイッチが入ったのかを検証してみましょう。
図7は宮崎と宇都宮の「ぎょうざ」支出額の月別推移です。3月までは宇都宮の支出が高かったようですが4月、5月で宮崎の消費が急増し、ここで奪ったリードが上半期日本一の要因になっているようです。

4月に宮崎で何があったのでしょうか?宮崎県での関心度を示す「餃子の検索状況」を調べてみると、図8のように全国の検索状況とくらべて3月31日に検索の大きなピークがあることが分かりました。

この日は「マツコの知らない世界」で「お家で楽しく!お取り寄せ餃子の世界」が放送され、宮崎からもお取り寄せのお店が紹介されました。どうもこの番組が宮崎市民の餃子スイッチを強く刺激したのではないかと思われます。
更に4月4日にも検索のピークが見られているので調べてみたところ、4日にひなた宮崎経済新聞で「ギョーザを食べて一発逆転 宮崎のスーパーが「逆転ホームラン餃子」販売へ」https://miyazaki.keizai.biz/headline/622/という記事が紹介されていました。

筆者は以前このスーパーで買い物をしたことがあり、その時は「食べづらいサンドイッチ」という商品が名物となっていて話題作りが上手で影響力のある企業さんだなぁという印象を受けました。 余談ですが購入した際にレジの方から「本当に食べづらいので」と言われて、サンドイッチを買ったのに割り箸を渡された思い出があります。
図7で4月、5月の「371ぎょうざ」の支出が急増し、宮崎が上半期日本一になった要因はこのようなメディアの影響が大きかったのではないかと思われます。図9にあるように宮崎では餃子の検索と「371ぎょうざ」の支出額がほぼ同じ動きをしており、餃子情報に対して感度が高く、また消費に直結しやすい県民性なのではないかと思われます。

餃子専門の小売店、生餃子へのこだわり「餃子の丸岡」の存在

表1で紹介しましたようにランキングの対象となる「371ぎょうざ」して集計されるためには小売店でチルドの生餃子か餃子惣菜、もしくは通販でチルドの生餃子を買わなければいけません。飲食店で餃子惣菜や冷凍の餃子を購入することができますが、これらは対象外となってしまいます。こうなるとほぼスーパーで購入されたものが対象になるのではと思われるかもしれませんが、宮崎にはこの「371ぎょうざ」の集計対象としてぴったりなお店があります。小売店であり、チルドで生餃子のみを販売しており、通販もチルドでお届けという「餃子の丸岡」さんです。超人気店で宮崎県内に小売店が6店舗展開されています。筆者も10年ぐらい前に初めて丸岡さんの餃子を食べて、カリッとした皮の食感と旨みのある肉汁に箸が止まらなくなった思い出があります。「マツコの知らない世界」を見て餃子を食べたくなった方たちが翌日以降に買いに行き、4月以降の支出増加につながったのではないかと思われます。また、ネットショッピングは常に予約待ちの状態なので、県外の知人から頼まれて代わりに買って送ってあげたりするケースも増えたのではないでしょうか。

日本一獲得のためにやるべき3つのこと

下半期の巻き返しは結構大変

7月までのデータが発表されているので、7月までの上位5都市の「371ぎょうざ」の累計支出金額を見てみると1位の宮崎が2,255円、2位の宇都宮が2,174円、3位の京都が1,931円、4位の浜松が1,799円、5位の大津が1,671円となっており、僅差なのでまだまだどの地域にも逆転の可能性があります!と書きたいところですが、過去3年間の都市別上半期と下半期の平均の月別支出額をまとめた図10を見ますと下半期の支出が上半期より高いのは宇都宮と宮崎の2都市しかなく、上半期でリードを許してしまった京都、浜松、大津の3都市には厳しい状況なのではないかと思われます。

しかしコロナによって消費スタイルも大きく変わっており過去のデータがあてにならなくなっている一面もありますので、最後まで日本一を目指して各都市には頑張っていただきたく、 「371ぎょうざ」 消費を増やすための強化ポイントをいくつか紹介したいと思います。

マスクのおかげで匂いが気にならない?餃子惣菜を昼に強化

餃子といえば匂いが気になるところです。図11にありますように餃子惣菜は17時以降に売れており、午後に人に会うことを考えるとお昼のおかずとして少し敬遠される傾向があるようです。

図12はスーパーの食品全体とにんにくの前年同月比の推移を見たものですが、にんにくの売上はコロナ禍が始まった3月以降大きく増加し緊急事態宣言が解除された6月以降も食品全体を上回る推移を続けています。

手作りする人が増えたという事もあると思いますが、「マスクのおかげで口臭をあまり気にしなくてよくなった!」「外出機会が減ったので昼からにんにく料理でも平気」といった方が増えてきているのではないでしょうか。実際に歯磨き粉やマウスウォッシュなどが含まれるオーラルケアですが図13にありますようにドラッグストア以外では売上減少となっていました。

このことは午前中の餃子惣菜にとっては追い風のようで図14にありますように9時~14時の売上は上がってきています。

コロナによって買い物をする時間が早まっている影響もありますので、餃子惣菜を昼に強化することが「371ぎょうざ」の支出額を上げるためのポイントになります。

餃子惣菜はシニアには「販促強化」、若年層には「生姜の餃子」

図15はスーパーで売られている餃子の皮、チルド餃子、冷凍餃子、餃子惣菜それぞれの購入年代を調べたものです。

餃子の皮、冷凍餃子、チルド餃子は若年層に買われていますが、餃子惣菜は高齢層に人気があるようなのでシニアデーに強化するなど高齢層を意識した販促をしかけましょう。
図16は餃子の商品名に「生姜」が入っている商品だけを選択して年代別構成比を見たもので、4-50代にピークがあることが分かります。

手作り派の若年層に対しては「生姜」を強化した商品開発を行い「371ぎょうざ」の支出アップにつなげていきましょう。

家呑み需要継続中。おつまみとしての訴求を強化

図17は飲食店の業態別の前年同月比推移で飲食店全体では8割まで戻ってきていますが居酒屋業態は半分程度と、まだまだ飲食店でのアルコール利用は回復してきていません。

一方、図18にありますようにコンビニ以外の業態でのアルコール利用は8月時点でも好調に推移しており、家呑み需要が継続していることが伺えます。

図19は餃子と一緒に買われるお酒を見たもので同時購入率、リフト値(一緒に買われやすさ)ともにビール類やリキュール類(チューハイ)と飲まれていることが分かります。

特に餃子と一緒に買われやすいビールランキングトップ10を見てみると図20のようになっており、全て500ml缶であることに驚かされます。

350ml缶では物足りないという事なのでしょうか。惣菜売場で350mlの6缶パックを関連販売されている売り場を見かけることがありますが、餃子には500ml缶のバラ売りが喜ばれそうです。キリンさんの一番搾りが1位なのは 「満島ひかり 餃子とビール編」 が2019年6月度の銘柄別CM好感度ランキングで7位に入ったことが影響しているのではないでしょうか。

また、餃子とビールの相性をより高めるために開発された、餃子専用のクラフトビールも販売されています。宇都宮には宇都宮餃子会と共同開発された「餃子浪漫」というビールがあります。

カラメル麦芽の上品な香ばしさと麦芽をふんだんに使用した麦本来の旨みが楽しめるメルツェンタイプのビールで、餃子によく合うそうです。こちらはネットでの販売のほか、宇都宮市の土産物店や百貨店、外食餃子店などでも購入・飲むことができるようなので、いろいろなお店の餃子と一緒に飲んでみてベストマッチを探すのも楽しそうですね。
京都では生餃子の直販店も展開されているマルシン飯店様の「GYO-SEN(餃子専用)ビール」があります。

GYO-SEN(餃子専用ビール)は 進化し続けるビールというコンセプトで、待望の第2弾は「ガーリックチャイブ」というハーブを素材として選ばれているそうです。ニラの様でありながらニンニクのほのかな香りがするハーブで、餃子もビールも進みそうです。
おつまみとしては、どのような餃子が求められてきているのでしょうか?「おつまみ餃子」で検索してみると通常の餃子より揚げ餃子や変わり餃子が多くみられるように感じます。図21は「餃子の皮とビール類を一緒に購入している買い物カゴ」を分析したもので、どんな餃子がおつまみとして食べられているかを推測することができます。

リフト値 (一緒に買われやすさ) が上位で定番餃子とは違う商品カテゴリーとしてはエスニック調味料、ディップソースなどが、また中具としてはエビやチーズなどが見られ、変わり餃子をおつまみとして楽しんでいる生活者がいることが伺えました。エスニック調味料はサルサソースやナンプラー、チリソースが含まれており、つけだれをエスニック風にして変化を出しているようでした。おつまみ用の餃子惣菜やチルド餃子商品の開発、また各餃子売場でつけだれのアレンジ提案で「餃子で家呑み」提案を強化していきましょう。


データから見る餃子日本一の世界、いかがだったでしょうか?最後に2020年の総世帯での餃子日本一を予測してみたいと思います。ズバリ宇都宮です!8年連続の日本一という安定感。二人以上世帯で7月まで宮崎が一位といってもその差はわずか81円。直近の「餃子」検索推移も安定しており下半期に強い宇都宮が逆転してくるのではないかと思われます。2021年2月にデータが発表されますので結果はまたご報告したいと思います。ただ、宇都宮以外の都市が年間日本一をとることによって餃子の話題が増え、餃子界がより活性化することを思うと宮崎の逃げ切りや他都市の追い上げを願ってやみません。

【速報】10月9日発表!2020年8月の都市別「371ぎょうざ」支出ランキング

都市別「371ぎょうざ」8月単月の支出ランキング

※この章は2020年10月9日に追加いたしました。
8月の家計調査(2人以上世帯)が発表されました。「371ぎょうざ」の都市別の支出金額はどうなっているのでしょうか?表5-1にありますように8月単月では宇都宮市が1位となりました。

図5-1にありますように7月は宮崎市、宇都宮市、浜松市が僅差でしたが、8月は宇都宮、浜松で増加、宮崎は少し落ち着いてしまったようです。

都市別「371ぎょうざ」 1~8月の累計支出ランキング

図5-2にありますように1~8月の累計では宇都宮市が1位と2位の宮崎市とわずか28円の差で首位となりました。5月から7月までは宮崎市が首位をキープしていましたが、8月は宇都宮市が逆転。接戦が続いていますが9月はどうなるのでしょうか?

9月の各都市の「371ぎょうざ」支出はどうなる?検索データから予測

図5-3にありますように、各地域の生活者が「餃子」というワードをどれぐらい検索したか?と実際の「371ぎょうざ」支出には相関性があるように思われます。「餃子」の検索が増えれば「371ぎょうざ」の支出も増える。検索が減れば支出も減るというわけです。

この傾向から考えますと8月、9月は宇都宮(検索データは栃木県全体で取得)で検索指数が増加してきており、一方の宮崎市(検索データは宮崎県全体で取得)はちょっと休憩といった感じになっていますので、9月は宇都宮市が有利なのではないでしょうか?宮崎市では8月に検索データが上がったので支出も増えるかと思いましたが伸びず、宇都宮市が地力の強さを見せ始めた感じもあります。宮崎市と宇都宮市のデッドヒート、どうなっていくのでしょうか?
9月のデータが出ましたらまたこのページでご紹介したいと思います。

【速報】11月6日発表!2020年9月の都市別「371ぎょうざ」支出ランキング

都市別「371ぎょうざ」9月単月の支出ランキング

※この章は2020年11月6日に追加いたしました。
9月の家計調査(2人以上世帯)が発表されました。「371ぎょうざ」の都市別の支出金額はどうなっているのでしょうか?表6-1にありますように9月単月では浜松市が1位となりました。

9月は浜松が2020年の都市別の単月支出金額でも1位となる 464円をたたき出し、2位以下に200円以上の差をつけました。図6-1にありますように2020年上半期の浜松は上位2都市にくらべると少し低調気味だったのですが、7月から急激に支出を増やしてきています。

都市別「371ぎょうざ」 1~9月の累計支出ランキング

9月までの累計値でのランキングはどうなっているのでしょうか?

図6-2にありますように1~9月の累計では宇都宮市が1位となっており、2位の宮崎市とわずか8円の差で首位をキープしました。 餃子日本一を決めるデータも残すは10月、11月、12月の3か月となりましたが、浜松市が急追を見せ三つ巴の混戦模様となってきました。 今後の展開はどうなっていくのでしょうか?

表6-2 のデータを見ると12月のデータが出るまで分からないかも…と思わされます。こちらは2000年から都市別月別の支出金額トップ10を集計したものです。1位は2013年7月に宇都宮が記録した金額で、なんと月額928円です!67位までを宇都宮と浜松で独占していました。 過去に日本一を獲得している都市の底力は計り知れず、一発の破壊力は凄まじいものがあります。1か月あれば大逆転が起こりそうで残り3か月、目が離せません。

日本一獲得のためにスーパーやドラッグストアでチルド餃子も強化

これまで記事で書いてきましたように日本一を決めるデータ、「371ぎょうざ」に反映されるのは惣菜の餃子、チルドの餃子の2つです。今はドラッグストアでもチルド餃子を扱っているところが増えてきてますし小売店での販促を強化することで日本一が近づいてくるのではないでしょうか。

図6-4はスーパーでのチルド餃子の商品別の売上と前年比です。チルド餃子の商品の品ぞろえ強化の参考にしていただければと思います。
また、秋も深まり鍋の季節となってきています。餃子は焼いて食べる以外にも鍋の具材としても美味しくいただけます。特にチルド餃子は惣菜の餃子や冷凍の餃子よりも鍋に使いやすいので、POP等でチルド餃子の売場から「餃子鍋」の提案をされてみてはいかがでしょうか。図6-5にありますように年々「餃子鍋」を検索する人が増えてきているようです。今年はコロナ禍の影響で外食で鍋を食べる機会が減り家庭で鍋を食べる機会が増えると思われますので「餃子鍋」の販促は効果的ではないかと思われます。

次回、10月のデータが発表されるのは12月8日(火)の8時30分です。来月もこちらのページで動向を紹介させていただきます。

【速報】12月8日発表!2020年10月の都市別「371ぎょうざ」支出ランキング

都市別「371ぎょうざ」10月単月の支出ランキング

※この章は2020年12月8日に追加いたしました。
10月の家計調査(2人以上世帯)が発表されました。「371ぎょうざ」の都市別の支出金額はどうなっているのでしょうか?表7-1にありますように10月単月では宇都宮市が1位となりました。

10月

宇都宮は9月は6位とちょっと不調だったのですが、10月は1位となっています。 注目の第三勢力の宮崎は図7-1にありますように7月以降微減傾向となっています。10月までの累計値も見てみましょう。

10月まで月別

都市別「371ぎょうざ」 1~10月の累計支出ランキング

1-10

図7-2にありますように1~10月の累計では宇都宮市が1位となっており、2位の宮崎市と107円の差で首位をキープしています。 餃子日本一を決めるデータも残すは11月、12月の2か月となりましたが、浜松市が急追を見せ三つ巴の混戦模様が強まってきています。 今後の展開はどうなっていくのでしょうか?

表7-2は「371ぎょうざ」の 11月と12月の 支出額を合計し、各年の都市別ランキングを算出し宇都宮など上位3都市の状況を見たものです。このデータを見ると11月12月に宇都宮が1位になる確率が非常に高く、宇都宮の逃げ切りになりそうな傾向が伺えます。くり返しになりますがランキングを決めるのは小売店での支出が大きく影響します。今年も残すところ20日程度となりましたが、スーパーでクリスマスも餃子売り込む!ぐらいの施策を打てればまだまだ日本一の行方は分からないかもしれませんね。

次回、11月のデータが発表されるのは2021年1月8日(金)の8時30分です。来月もこちらのページで動向を紹介させていただきます。

【速報】2021年1月8日発表!2020年11月の都市別「371ぎょうざ」支出ランキング

都市別「371ぎょうざ」11月単月の支出ランキング

※この章は2021年1月8日に追加いたしました。
11月の家計調査(2人以上世帯)が発表されました。「371ぎょうざ」の都市別の支出金額はどうなっているのでしょうか?表8-1にありますように11月単月では浜松市が1位となりました。

浜松は上半期は上位2都市より低めの支出でしたが、8月から巻き返し9月、11月と単独首位になっています。 注目の第三勢力の宮崎は図8-1にありますように11月は支出が増え宇都宮を超えたのですが、それ以上に浜松の支出が上回り2位となりました。11月までの累計値も見てみましょう。

都市別「371ぎょうざ」 1~11月の累計支出ランキング

図8-2にありますように1~11月の累計では浜松市が今年初めて1位となりました。しかし、2位の宇都宮とは25円、3位の宮崎市との差は51円。残り1ヵ月でひっくり返せない差ではありません。 餃子日本一を決めるデータも残すは12月の1か月のみとなりましたが、今後の展開はどうなっていくのでしょうか?

次回、12月のデータが発表され、年間の餃子一位の都市が決まるのは2021年2月8日(金)の8時30分です。来月もこちらのページで動向を紹介させていただきます。

【速報】2021年2月5日発表!2020年12月の都市別「371ぎょうざ」支出ランキング

※この章は2021年2月5日に追加いたしました。
12月の家計調査(2人以上世帯)が発表されました。「371ぎょうざ」の都市別の支出金額はどうなっているのでしょうか?表9-1にありますように12月単月では鹿児島市が1位となりました。

都市別「371ぎょうざ」12月単月の支出ランキング

浜松は上半期は上位2都市より低めの支出でしたが、8月から巻き返し9月、11月と単独首位になっています。 注目の第三勢力の宮崎は図9-1にありますように12月は宇都宮を超えたのですが、それ以上に鹿児島、浜松の支出が上回り3位となりました。12月までの累計値も見てみましょう。

都市別「371ぎょうざ」 1~12月の累計支出ランキング

図9-2にありますように1~11月の累計で浜松市が今年初めて1位となり、12月も単月2位の支出額で逃げ切って年間1位の座に輝きました。


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