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2021年の母の日はいつ?よく売れているのはどんな商品?母の日に喜んでもらう食卓を提案!

2021年の母の日は5月9日(日)です。毎年、5月の第二日曜日が母の日となります。昨年2020年5月10日(日)の母の日は、コロナ禍の第一次緊急事態宣言下という大変な中で迎えましたが、「母の日」の検索回数は過去最高に増えており、特に「フード・ドリンク」カテゴリーでの上昇が目立ちました(グーグルトレンドより)。今回は母の日に実際に売れている商品の情報から、母の日にみんなに喜んでもらえる食卓メニューを考えていきたいと思います。


●母の日と言えばやっぱりお花。さらにお花+○○でもっと喜んでもらいましょう!

母の日と言えば、やっぱりカーネーションですが、スーパーのお花売場の年間での日別売上データを見てみます。

スーパーでのお花の需要としては、お盆と年末、そして春と秋のお彼岸の、お墓参りやお供え用の仏花が最も大きく、年間を通したお花全体の売上の約7割を仏花が占めています。
そんな仏花の需要がメインのお花売場で、お盆・年末・春と秋のお彼岸の4つのピークに負けない売上となるのが母の日です。母の日では逆にカーネーション関係のお花の売上が約5割を超えてきており、購買客層もガラッと変わります。

図②はスーパーの食品全体の購買年代割合とお花の購買年代割合を比較したものですが、年間を通したお花の購買年代が60~70代以上の高齢層に偏っているのに対して、母の日のお花の購買年代はまったく違う年代層になっていることがよくわかります。

また母の日にお花を買われる方に一緒に買われやすくなっているのが、少し良さげな果物です。

図③の買われやすさ(リフト値)とは、年間平均と比較して、母の日にお花を買う方は7.3倍マンゴーも一緒に買いやすいことを示しています。母の日に売れるマンゴーは1,000円前後のちょっと良さげなもののようですので、マンゴーとカーネーションのフラワーボックス的なもののセットなどを売り込んでみてもいいのではないでしょうか。

●スーパーで母の日に売れているのはこんな商品。寿司をメインに手間のかからないメニューが並ぶ。

昨年2020年5月10日(日)の母の日は、コロナ禍の第一次緊急事態宣言下で、イレギュラーな数字の動きもあったため、一昨年2019年5月12日(日)の母の日の数字もチェックしながら、母の日にスーパーで売れる商品をまとめてみました。

特化度について、日曜日は多くの商品の売上が上がってしまうので、年間の日曜日の売上平均と母の日を比較して、普段の日曜日と比べて母の日に多く買われているものをピックアップしています。
母の日にスーパーで売れる商品一覧で目立つのが、「お寿司」メニューです。そして、食卓は「寿司種セット」を軸にした手作り寿司パターンと、「にぎり寿司」を軸にしたお惣菜寿司パターンに分かれるようです。

図⑤の母の日の食卓イメージは、図④の母の日に売れる商品一覧から、何と何が一緒に買われているのか?を買い物カゴデータを調べて導き出したものです。既報記事「どうなるどうするゴールデンウィーク商戦!2021年ことしのゴールデンウィーク商戦を勝ち抜くポイントは?」で紹介したように、ゴールデンウィークの食卓、子どもの日の食卓では、手作りの手巻き寿司と惣菜のにぎり寿司が一緒に出てくるシーンがありましたが、母の日では手作り手巻き寿司パターンか、惣菜のにぎり寿司・寿司盛り合わせパターンかのどちらかに寄るようです。そしてどちらのパターンでも生春巻きやデザートなどは共通して食卓に上がります。全体的には、焼いたり煮たり揚げたりといった、あまり調理の手間がいらないメニューが並んでいるように見えます。母の日なので、お母さんに負担をかけないメニュー、そしてお父さんと子どもだけでも作ることができるメニューが主体になっています。

●カットフルーツはミックスタイプが売れ筋。600円以上の大パックを強化!

母の日はカットフルーツが全体的に伸びてきますが、母の日に特に伸びてくるのが複数のカットフルーツを組み合わせたカットフルーツミックスです。

母の日のカットフルーツミックスの売上は、2019年はクリスマスに次ぐ年間第2位、2020年もクリスマス、ゴールデンウィークに次ぐ年間第3位となっています。

強化のポイントは600円以上の大パックも品ぞろえしていくことです。

母の日のカットフルーツミックスは全体的に年間平均よりも高価格帯に寄っていますが、特に600円以上の大パックが普段の3倍以上売れているようです。カットフルーツケーキでも作っているのかな?と思って一緒に買われているものを調べてみたのですが、デザート素材はあまり買われていなかったので、フルーツオードブルのような感じで単品で食卓利用されているようです。アーティスティックにカットしたフルーツで食卓が盛り上がるような商品づくりも面白いかもしれません。

●生春巻きは手作りでもお惣菜でも人気!特に伸びてきているのが手作り。

生春巻きも母の日に人気のメニューです。まずはお惣菜の生春巻きの売上状況を見てみます。

お惣菜の生春巻きの母の日の売上は、2019年、2020年ともにクリスマスに次ぐ年間第2位となっています。メインとなるメニューではないですが、イベント時には欠かせないメニューになってきています。

お惣菜の生春巻きが母の日に売上が伸びるのは、大パックが普段よりも大きく伸びてくることが主な理由です。

お惣菜の生春巻きは、普段は200円台の小パックが、おつまみ的に、サラダ的に利用されているようですが、母の日には400円台、500円以上がメインになってきて、オードブル的な利用に変わってきているようです。いつもは小パックだけの品ぞろえの生春巻き惣菜も、母の日には中パック、大パックの品ぞろえも強化していきましょう。

そして、コロナ禍以降、特に伸びてきているのが、生春巻きを手作りしていく動きです。

生春巻きに欠かせないのはライスペーパーですが、2020年3月のコロナ禍以降、数字が大きく伸び、少し落ち着いてきてはいますが、前年を超える動きは現在も続いているようです。

ライスペーパーを買われる方の買い物カゴは、生春巻きのレシピがとても想像しやすいものになっています。

えびとアボカドの生春巻き、サーモンとアボカドの生春巻き、生ハムとクリームチーズの生春巻き、サーモンとクリームチーズの生春巻きなどなど、生春巻きの典型的なレシピの食材が並ぶ、わかりやすい買い物カゴが多くなっています。
また、調味料ではスイートチリソースが注目商品です。スイートチリソースは年間平均では、10,000人のお客さんが来て1本売れるという商品ですが、母の日にライスペーパーを買ったお客さんに限ると、100人のお客さんで16本が売れる大人気商品に跳ね上がります。年間を通してのデータでもライスペーパーを買ったお客さん100人でスイートチリソースは13本売れているので、スイートチリソースとライスペーパーはお互いに販促効果が強い商品の関係となっているようです。

母の日の生春巻き検索数は年々上昇してきており、人気が高まってきているようなので、お惣菜、手作り、両面で需要に応えられるような売場づくりをしていきましょう。


今回は母の日に売れている商品から、母の日の食卓メニューについて考えてみました。今年の母の日もまだまだ続くコロナ禍の中で迎えることになりそうですが、家族の絆を深める重要な機会として、楽しい食卓を囲める商品づくり・売場づくりを手助けできるようにしていきたいと思います。

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