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どうなるどうするゴールデンウィーク商戦!2021年ことしのゴールデンウィーク商戦を勝ち抜くポイントは?

昨年2020年のゴールデンウィークは第一次緊急事態宣言の中で、まったくゴールデン感のないものとなってしまいました。2021年ことしのゴールデンウィークは、去年よりは人の動きは増えそうですが、まだまだ自粛モードが続きそうです。海外旅行はおそらくないままで、お出かけも近場の国内旅行ぐらいではないでしょうか。せめて家での食事で楽しんでもらえるような商品づくり、売場づくりを今回は考えていきたいと思います。


●2021年ことしのゴールデンウィークを2019年、2020年データから考えてみます。

2021年のゴールデンウィークの食市場の予測をするに当たり、令和元年で10連休となった2019年のゴールデンウィークと、コロナ禍に見舞われて第一次緊急事態宣言真っただ中で迎えた2020年のゴールデンウィークの家計消費を比較してみます。

図①では、食費を、内食(手作り食材。野菜、肉、魚、調味料など)、中食(惣菜、弁当)、外食(店内飲食だけでなく、外食店でのデリバリー・テイクアウトも含む)、の3つに分類して、2019年、2020年それぞれの4月中旬から5月中旬までの日別の支出推移を比べてみました。このグラフの期間でのそれぞれの前年比は、内食115.2%、中食99.2%、外食29.6%です。
10連休で大いに盛り上がった2019年と、コロナ禍で徹底的な自粛下の2020年と、極めて両極端なゴールデンウィークの比較ですが、最も差がついたのはやはり外食でした。2019年の外食への支出はゴールデンウィークの10連休に綺麗なテーブルマウンテンを描いていますが、2020年は完全に平坦な道のりのままとなってしまっています。ゴールデンウィーク前後の週末の山も、2020年は消え去っています。
代わりに内食はゴールデンウィーク前から安定して2019年を上回る支出となっています。中食は内食や外食ほどの違いはありませんが、ゴールデンウィーク期間では前年を少し下回る動きになっています。

2020年の4~5月は第一次緊急事態宣言下で強く自粛をしていた特殊な状況だったので、2021年ことしのゴールデンウィークの予測には少し参考にしづらい面があります。そこで、2020年8月のお盆や、2020年12月のクリスマス年末の方が、参考になりそうなので、こちらの内食、中食、外食への支出状況を見てみます。

図②は2020年8月の内食、中食、外食への支出を2019年8月と比較してみたものです。8月1ヶ月間での前年比は、内食111.5%、中食101.5%、外食65.0%です。図①よりは、内食でも外食でも2020年の実線と2019年の点線が近づいてきています。特に外食が回復してきており、週末の山も見えるようになってきました。また、中食も前年割れを脱しています。

図③は2020年12月の内食、中食、外食への支出を2019年12月と比較してみたものです。12月1ヶ月間での前年比は、内食106.2%、中食106.4%、外食69.1%です。内食は実線と点線がだいぶ重なってきて落ち着いた動きになってきています。中食は12月は調子が良かったようです。外食は忘年会需要の蒸発で飲酒代は前年比81.6%減と大きなマイナスとなっており、全体でも前年比30%以上減とまだまだ厳しい数字ですが、寿司は前年比100.5%と前年並みになっていたり、デリバリーやテイクアウト需要による下支えなどで実線と点線の重なりも増えてはきています。

本記事執筆時点(2021年2月)では、まだ第二次緊急事態宣言下、第三波の中で、なかなか4月5月の状況を予測しにくいのですが、新規感染者数の減少傾向やワクチン接種の開始など、前向きに考えることができる材料も出てきていることから、2021年ことしのゴールでウィークは2020年ほどの状況にはならないのではないかと考えます。とは言え、2019年のゴールデンウィークの状況にもならない。と言うことで、2021年は最低2020年、最高2019年で、図①で表現すると実線と点線の中間に2021年は入るのではないでしょうか。次章ではゴールデンウィークの強化ポイントについて具体的に見ていきます。

●ゴールデンウィークに強化すべき商品・メニュー・シーンは、ずばりコレ!

生鮮惣菜4部門の2020年1月からの月別前年比推移を見てみます。

2020年の4~5月は第一次緊急事態宣言下という特殊な状態で、これまでにも本ホームページで再三お伝えさせていただいている通り、家庭での手作り食卓の増加で生鮮部門が大きく増加し、反面惣菜部門は前年割れと、ちょっと2021年ことしのゴールデンウィークがどうなるかを予測するには参考にしにくい状況でした。そこで、2019年以前の状況も参考にして、ゴールデンウィークに本来売れる商品、強化すべき商品を一覧にしてまとめてみました。

図⑤の強化すべき商品について、ゴールデンウィークが年間で最も売れる時期である品目をピンク色で、年間でベスト3に入る品目を黄色で、色づけしています。
食未来研究室がおすすめする、2021年ことしのゴールデンウィークに最も強化すべきメニュー、シーンは、家族での焼肉パーティーです。2番目に強化すべきメニュー、シーンは、家族での手作りお寿司パーティー、3番目はやはり同じく家族でのパーティーで、お好み焼き・たこ焼き・餃子・春巻きメニューによる団らんです。これら3つのメニュー、シーンについて、強化すべき背景や対策事例について紹介していきます。

●焼肉が年間で一番食べられるゴールデンウィーク。ことしの強化ポイントは?

焼肉用のお肉のスーパーでの売上げについて、2019年と2020年の週別データを見てみます。

焼肉用のお肉の売上げの年間トップ3は、ゴールデンウィーク、お盆、年末、となっています。2020年ゴールデンウィークの山がお盆に負けているように見えますが、ゴールデンウィークの山が2週に分散しているためで、期間合計ではお盆よりも売上げは大きくなっています。ということで、2019年も2020年も年間で最も焼肉用のお肉が売れるのはゴールデンウィークとなっています。食卓で焼肉が食べられる機会も、ゴールデンウィークとお盆が年間で1番目、2番目に多くなっています。年末は食機会としてはそこまで多くないのですが、年末は和牛が多く買われるため、売上げ的には3番目に多くなっています。

ゴールデンウィークでは家庭での焼肉パーティーを最も強化すべきとおすすめするもうひとつの大きな理由が客単価の高さです。

2020年1年間でのスーパーのお客様全体の買い物カゴの平均と比べて、焼肉のたれを買ってくれているお客様の買い物カゴの金額は2倍以上になっています。そしてゴールデンウィークに焼肉のたれを買ってくれているお客様の金額はさらにプラス1,000円の5,162円にまで跳ね上がっています。既報記事「早くも始まっているスーパーの秋冬向け鍋商戦!~鍋に求められるコトとは?今年の鍋商戦を勝ち抜くポイントは?~」で鍋つゆを買ってくれているお客様の客単価の高さに言及しましたが、焼肉たれ購入者はさらに高い金額となっています。ゴールデンウィークに家で焼肉をしようとするお客様を自分のお店に呼び込んでいくことがとても重要であることがわかります。

ただ、ゴールデンウィークの焼肉シーンも、コロナ禍で少しずつ変わってきています。

図⑧は焼肉用の牛肉の購買年代について、2019年と2020年それぞれの年間平均とゴールデンウィーク期間を比較したものです。2019年はゴールデンウィーク期間も年間平均とほぼ同じ購買年代構成ですが、2020年は大きく左に寄っている、30~40代の購買が強くなっていることがわかります。2019年は10連休ゴールデンウィークだったこともあって帰省をする人も多く、高齢層も参加する、高齢層がお金を払ってくれる焼肉パーティーが多くありましたが、2020年は徹底的な自粛の下で、若年層の家族だけでの焼肉パーティーとなり、このような結果となっています。2021年ことしのゴールデンウィーク期間も、まだまだ安心して帰省や高齢層も一緒の焼肉パーティーを開ける状態にはほど遠いようなので、2020年のような購買年代層になると思われます。

図⑨は焼肉用の牛肉の購買価格帯構成比について、2019年と2020年それぞれの年間平均とゴールデンウィーク期間を比較したものです。若年層が主体になってくると高価格帯が弱くなってくるのが一般的な傾向ですが、2020年ゴールデンウィークも1,500円以上、2,000円以上の牛肉パックも健闘しています。既報記事「スーパー畜産部はコロナ禍以降も好調を継続。2021年も力をいれるべきポイントは?」でも紹介しましたが、若年層が和牛を買うようになってきてくれている傾向がゴールデンウィーク期間にも出ているのが、高価格帯が減少していない要因のひとつです。

ゴールデンウィーク期間に限ったことではありませんが、2020年は図⑩のように、和牛と輸入牛が伸びて、国産牛が少し停滞した結果となりました。コロナ禍による国からの販促支援対策のあるなしや、生産サイドの問題など、外部環境要因によるものもありますが、若年層に対して和牛焼肉をしっかりと売り込むチャンスと感じます。

焼肉パーティーには欠かせない、焼肉のたれの2020年の傾向についても調べてみました。ゴールデンウィークならではの傾向はあまり出なかったので、年間データで紹介します。

2020年のスーパーで販売実績のあった焼肉のたれを、商品名から味別に分類して売上構成比を調べてみたものです。「焼肉のたれ240g」など、味の種類が商品名に入っていないものはその他に分類しています。ご容赦ください。

図⑪の味の分類では、中辛と甘口で約半分の売上げを占めています。中辛と甘口に比べて、辛口は意外に売上が少なくなっていました。これらの定番の味付け、中辛、甘口、辛口について、どの年代で買われがちなのかを見てみます。

中辛と辛口は、ほぼ食品全体の平均と重なっており、若干40~50代で強めに出ています。甘口は30~40代で特徴的に高くなっており、50代で低く出ています。子どもが小さい時には甘口を、大きくなってきたら中辛や辛口にシフトしている様子が伺えます。

中辛、甘口、辛口、の定番以外の味付けでは、そろって若年層に強めに買われているようです。塩は豚肉や牛ホルモンが一緒に買われやすかったり、にんにくは牛肉が少し強めに買われやすかったりしています。レモンは焼肉のたれ全体と比べると野菜が一緒に買われやすかったので、他の味付けも含めてどんな野菜が一緒に買われやすいのか深掘りしてみました。

焼肉のたれ全体と最も一緒に買われやすい野菜はリーフレタスで、焼肉のレタス包みで食べられていることがわかります。2番目の野菜水煮は、ほぼ真空パックのとうもろこしで、他にもエリンギやかぼちゃ、しいたけなどの焼肉と一緒に食べられる焼き野菜が一緒に買われやすくなっています。にんにくの焼肉のたれを買う方は、なぜかさらに生にんにくやにんにくの芽を買っています。塩の焼肉のたれを買う方はカットキャベツが多く、やみつきキャベツみたいな食べ方をしているようです。レモンの焼肉のたれは全体的にいろんな野菜と買われやすく、肉野菜炒め的な使われ方が多いようです。真空パックのとうもろこしやカット野菜などの、そのまま使える野菜は特に若年層での購買が強くなっているので、若年層を意識した焼肉売場づくりではカット野菜を上手に関連販売することもポイントではないでしょうか。

●こどもの日のお寿司のある食卓シーン。節分、ひなまつりと何が違う?

家庭での手作りお寿司がいつ実施されているのかの、わかりやすい指標として、スーパーでの寿司種セットの売上げについて、2019年と2020年の日別データを見てみます。

家庭での手作りお寿司用の寿司種セットの売上げは、ひなまつり、節分、こどもの日がトップ3で、母の日、父の日がそれに続きます。期間ではお盆や年末の売上げも大きくなっています。
家庭での手作りお寿司が作られているトップ3の、ひなまつり、節分、こどもの日ですが、食べられているお寿司はそれぞれに特徴があります。

図⑯は、手巻き寿司用の手巻き海苔、巻物で使用される全形海苔、ちらし寿司の素、の年間平均とひなまつり、節分、こどもの日、それぞれの期間での買上げ点数割合を比べてみたものです。節分では手巻き寿司と巻物が多く、ひなまつりではちらし寿司が多くなっていることがわかります。こどもの日では手巻き寿司の割合が最も多くなっているのが特徴です。また、こどもの日のお祝い用のちらし寿司もあり、ひなまつり、節分とはまた違った手作り寿司のニーズがあるようです。

寿司惣菜についても、ひなまつり、節分、こどもの日、それぞれの期間での買上げ点数割合を比較してみます。節分は恵方巻き一択で巻物惣菜の割合が圧倒的です。ひなまつりでは普段それほど多くは並んでいない、ちらし寿司惣菜が増えてくるのが特徴です。こどもの日は家庭では手作りしにくい、にぎり寿司惣菜の割合が増えてくるのが特徴です。
こどもの日はお寿司の食卓登場が大きく増加しますが、節分の太巻きや、ひなまつりのちらし寿司といったように、どれか一択になるわけではなく、惣菜のにぎり寿司と手作りのちらし寿司があったり、惣菜のにぎり寿司と手作りの手巻き寿司を一緒に楽しんだりと、幅広い寿司メニューが楽しまれるのが特徴になっているようです。

ゴールデンウィークのお寿司のある食卓は、やはり若年層が中心です。

もともと年間でも若年層寄りの寿司種セットは、ゴールデンウィークでさらに若年層が強くなり、年間では70代ピークの高齢層寄りの寿司酢も、ゴールデンウィークでは40代ピークと若年層寄りになってきます。
お寿司も含めたゴールデンウィークの若年層の食卓がどうなっているのか?、こどもの日の若年層の買い物カゴにどんな商品が入っているのか調べてみました。

寿司種セットと一緒に若年層が好む、いくら、サーモン、まぐろたたき、ほたて、なども手巻き寿司やちらし寿司用に買われています。目立つのが、焼肉用の牛肉や焼肉のたれなどの焼肉商材です。若年層の特に子育て世帯では、寿司パーティー、焼肉パーティー、あるいは、寿司&焼肉パーティーなど、寿司と焼肉、どちらもゴールデンウィーク期間中に実施されていることが多くなっています。また、デザート素材(スポンジ台)、ホイップクリーム、洋風ミックス粉などの製菓材料も買われやすくなっており、手作り菓子も食卓に登場します。
寿司種セットは、手巻き寿司用とちらし寿司用、両方あると良いですが、なかなか品ぞろえ的に難しければ、やはり手巻き寿司用を優先して並べていくべきです。そして同時に、若年層が好む、サーモンやえび、いくら、まぐろたたき、ほたてなども一緒に販促していきましょう。
また、お出かけにお金が使えない分、食にお金をかけてくれる傾向が出てきているので、もともとゴールデンウィークに売上げが伸びる、生うにや本まぐろなどの高級商材も、さらに強気に売り込んでいく価値もあると思われます。

●お好み焼き・たこ焼き・餃子・春巻き。団らんメニューが軒並み年間1位となるゴールデンウィーク!

2020年のゴールデンウィーク期間も含まれていた第一次緊急事態宣言下において、ホットケーキミックスやお好み焼き粉、たこ焼き粉などが店頭から品薄になったニュースは、みなさんの記憶にも新しいのではと思います。しかし、これらの商品、お好み焼き粉、たこ焼き粉、さらには餃子の皮や春巻きの皮も、もともとゴールデンウィークに年間で一番売れる商品です。(ホットケーキミックスはバレンタインデーという強敵がいるため、ゴールデンウィークは年間で2番目です。)

お好み焼き粉は2020年3~5月に爆発的に売れましたが、2019年も一番売れているのはゴールデンウィーク週でした。ちなみに2018年も同じ結果です。

たこ焼き粉も、2019年に一番売れているのはゴールデンウィーク週です。2020年は第一次緊急事態宣言下の自粛期間中に、たこ焼きを作り過ぎてさすがに飽きてしまったのでしょうか。ゴールデンウィーク週にたどり着く前に、下降傾向になりましたが、それでもゴールデンウィーク週にピクンと来ています。

さらには餃子の皮も、2019年、2020年、ともに年間で一番売れているのはゴールデンウィーク週です。
お好み焼き、たこ焼き、餃子、さらにはホットケーキも含めて、これらのメニューに共通するキーワードが、ホットプレートです。

長いお休みでは、お家で食事を作る機会も多く、いろいろと大変です。ホットプレートメニューは食材の準備までで、仕上げは家族みんなで出来るので調理時間が短縮でき、負担が減らせます。家族みんなで楽しむことができ、子どもも喜んで食べてくれたりと、忙しい子育て世帯に助かるメリットがたくさんあります。おうち時間がまだまだ長くなりそうな2021年ことしのゴールデンウィークに、ホットプレートメニューは引き続き強化が必要です。

春巻きの皮も2019年、2020年、どちらもゴールデンウィーク週が年間で最も売れる週になっています。春巻きは中国で立春に新鮮な春野菜を薄い皮で巻いて揚げて食べられていたことから、この名前がついていますが、日本でも同じ時期に食機会が多くなっているのは、たけのこなどの春野菜も関係があるようです。実際、「春巻き×たけのこ」の検索が2~3月に増えています。またゴールデンウィーク週にピークになるのは季節だけでなく、ある人気メニューが一役買っているようです。

春巻きの皮を折り紙のかぶとに折って、中にポテトサラダや肉系のあんなどを包んで揚げたメニューにチャレンジする方が多くなっています。こいのぼりなどもあり、子どもと一緒に楽しく作る機会に活用してもらえるように、売場からこういった情報を発信していき、去年に負けないピークを作っていきましょう。


今回は2021年ことしのゴールデンウィーク商戦の対策を考えてみましたが、強化すべきシーンはある程度はっきりと見えてきたように思います。コロナ禍の状況について、4~5月にどうなっているのかをなかなか見通せない状況が続きますが、おうち時間を楽しく過ごせるような企画・提案はことしのゴールデンウィーク商戦でも最も重要な部分になると思われます。今回の記事を、お客様により喜んでいただく商品づくり・売場づくりに参考にしていただけると幸いです。

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