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新型コロナウイルスの拡大開始から丸3年。スーパーの売上はどう変化した?①【全体の変化と農産編】

新型コロナウイルスの拡大開始からすでに丸3年が過ぎました。3月中旬からはマスク着用に関する判断が個人に委ねられたり、GW後からはインフルエンザなどと同じ5類へ移行されたりと、徐々にコロナ禍前の生活様式に戻りつつある部分もみられます。
スーパーの売上はコロナ禍の初期に大きく増加しましたが、現在はどうなっているのでしょうか?今回は、コロナ禍前と比べて現在のスーパーの売上はどう変化したのかを見ていきたいと思います。


●人の動きの変化について

まずは、直近での人出と感染者数の動向をみてみます。

こちらは、2019年と比べた時の人出の同週比と新型コロナウイルスの感染者数の推移です。感染者数の増加に伴い人出が減少する傾向はありますが、最近では2020年~2021年ほどの人出の減少は見られなくなっています。今後また感染者数の増加がみられたとしても、そこまで人出は減少しないのではないかと予想出来ます。

次に、国内の宿泊者数の状況について見てみます。

行動制限の緩和や全国旅行支援も後押しし、2022年12月においては2019年比約100%と2019年並に戻ってきています。コロナ禍前に比べ、近場に旅行に行ったり、自家用車を使って旅行をしたりする方は増えたと思われますが、国内航空会社の発表によると22-23年の年末年始における国内線の旅客者数は2019年比84%となっており、飛行機を使って移動する方も大分戻ってきている印象です。今後、さらなる緩和によってインバウンドの旅行者も増えていくことも予想され、旅行業界・宿泊業界はコロナ禍前と同じくらいか、それ以上の需要が見込めるのではないでしょうか。

続いて、外食への支出状況についてです。

外食への支出も宿泊者数と同様に回復傾向がみられ、2022年の10~12月期は2019年比で95%となっています。ただし、この中身はコロナ禍前とは大きく異なっています。例えば、店内飲食の割合が減り店内飲食やデリバリーの割合が増加したり、友人や仕事関係の方との利用割合が減り一人や身近な人との利用割合が増加したりしています。数字は戻ってきてはいますが、新しい外食の利用の仕方へと変化しているようです。

●スーパーの売上状況

次に、スーパーの状況について見ていきたいと思います。まずは、コロナ禍によりスーパーの売上がどう変化したかを見てみます。

こちらは、スーパーの食品全体の売上金額について季節性を除くために12か月移動平均値をとり、2019年1年間の平均値を1とした時の指数変化で売上の増減を見たグラフです。コロナ禍以降、スーパーの売上は増加しましたが、現在はコロナ禍前までには戻っていないものの大分落ち着いてきています。

続いて、部門別の状況についても見てみたいと思います。

部門別での売上の変化を見てみると、部門により状況が異なっていることが分かります。惣菜部はコロナ禍初期こそは苦戦していましたが2020年の後半から伸び始め、現在は一人勝ち状態となっています。生鮮3部門についてはスーパー全体と同様にコロナ禍以降増加し、その後落ち着いてきています。農産部、畜産部は2019年より高い値をまだ維持していますが、水産部に至ってはコロナ禍前よりも売上が減少してしまっている状況です。

今回の記事では、まず農産部について見ていきたいと思います。

●農産部について

先ほどの図では農産部全体でみていましたが、もう少し細かく分けて売上の変化を見てみます。

丸の野菜、果物については食品全体と同様にコロナ禍前の売上に近づきつつありますが、果物加工品は伸長傾向が続いており、野菜加工品は現在も高い値をたもっています。コロナ禍前に比べて需要の高まりが感じられる野菜加工品と果物加工品についてさらに詳しく見てみたいと思います。

まずは野菜加工品についてです。

こちらは野菜加工品について、2022年の売上金額と2019年比を出したグラフになります。このグラフから読み取れることの一つとして、「ミックス」系の商品がどれも好調であることが言えるのではないでしょうか。野菜水煮ミックス、冷凍野菜ミックス、カット野菜ミックスのどれもが2019年比110%以上の値となっており、前年の2021年と比較してもプラスの売上となっていました。

最近食卓に起こっている変化として、1食卓あたりの品目数が年々減少しているという変化があります。しかし、1メニューあたりに使われる材料数はコロナ禍前に比べて増えており、品目数を減らして料理を簡単に済ませたいけど健康のために色々な食材を摂りたい!といった理由が想像できます。そのような時に、野菜ミックスといった色々な野菜を簡単に用意できる商品は重宝されるのではないでしょうか。

また、この調理が簡単かつ色々な食材がとれるということに関連するキーワードとして「ワンパン」というものがあります。

こちらは「ワンパン」の検索数推移です。ワンパンとはいわゆるフライパン1つで出来るメニューを指すのですが、この検索数が増加してきています。この動向から、調理器具も減らして、調理の手間や洗い物の手間を出来るだけ省きたい!という気持ちが伺えます。農産部では、カット野菜を利用したワンパンメニューの提案も良いのではないでしょうか。

次に、果物加工品についても見てみます。

以前の記事で冷凍食品の伸長についてお話ししましたが(年々需要が高まる冷凍食品。冷凍食品の現状と、今伸びてきているものは?)、冷凍果物についても好調な動きとなっておりコロナ禍以降も年々売上が増加しています。カットフルーツに比べるとまだまだ売上金額は小さいですが、将来性のあるカテゴリーなのではないでしょうか。
カットフルーツの中では、カットパイン、カットスイカの売上が大きく伸びてもいます。今回はカットスイカの売上状況について少し見ていきたいと思います。

こちらはすいか(丸もの、皮のついたカットスイカも含む)とカットスイカ(皮のついていないもの)の週別売上推移です。3月中旬ごろから売上が上昇し始め7月~8月にピークを迎えるのはどちらも同じですが、GWまでの期間はカットスイカもすいかと同じくらいの売上となっています。まだ肌寒い季節のため大きなすいかを購入することには抵抗があるかもしれませんが、手軽なサイズのカットスイカであれば旬の始まりの時期に手に取られる方も多いのではないでしょうか。

また、カットスイカは60代以上の高齢層の方に買われやすく、平日のお昼や夕方にお惣菜と一緒に購入されています。特に高齢層のお客様の多いお店においては、平日のお昼と夕方の時間帯にしっかりと品揃えしていきましょう。

ちなみに、すいかの支出が多い都市はどこなのでしょうか?

2020年~2022年の3年間の支出金額の平均値をとってみると、1位:鳥取市、2位:名古屋市、3位:新潟市とすいかの生産量でもトップ10に入っている3県の支出金額が高くなっていました。支出金額の高い県、都市では特に強化したいですね。


次回は水産部、畜産部の変化について考えていきたいと思います。お楽しみに!

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