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どうなるどうする2021年クリスマス年末年始商戦!昨年の振り返りから今年の傾向を予測!

もうすぐスーパーにとって最大の売上げをたたき出すクリスマス・年末年始がやってきます。去年は「どうなるどうするクリスマス年末年始商戦!その①~「クリスマス年末年始の過ごし方」アンケートを分析!~」、「どうなるどうするクリスマス年末年始商戦!その② ~クリスマス年末年始商戦を勝ち抜くポイント!農産部・水産部編~」、「どうなるどうするクリスマス年末年始商戦!その③~クリスマス年末年始商戦を勝ち抜くポイント!畜産部・惣菜部・その他編~」の三部作で取り上げました。帰省が少なかったものの売上げとしては好調だった去年の裏年となる今年は厳しい戦いが予測されますが、今回はそのような中、少しでも売上げをつくるチャンスとなる商品や、売場づくりについて見ていきたいと思います。


●スーパーの売上げ推移からみる今年のクリスマス年末年始商戦の予測

まずはスーパーの食品全体の売上げ推移を見てみます。

2021年はコロナ2年目ということでしたが、一部の期間を除いて2020年並みの売上げを保ってきていました。コロナ禍での人出とスーパーの売上げには負の相関関係があり、人出が増えるとスーパーの売上げは下がり、人出が減るとスーパーの売上げは上がる、という関係がはっきりと出ます。10月以降少しコロナが落ち着きだして、現在は前年と比較すると厳しくなってきている状況です。また、年末年始の売上げを予測するにはお盆の動きが参考になりますが、お盆の週の前年対比は95%と少し厳しかったようです。今年のお盆頃は感染者数が最も増えた第五波の真っただ中でしたが、それでも2020年と比べると人出は増えていたので、今年の年末年始もお盆と同じく、数字の上では苦戦が予測されます。とはいえ、2019年度と比べるとまだまだおうちで過ごす傾向は強いと思われますので、2019年、2020年の流れを参考に、今年の戦略を考えていきたいと思います。

クリスマス年末年始商戦を考えるには曜日回りも大切になってきます。去年は24日が木曜日、25日が金曜日でした。26日が土曜日であり、アンケート結果からも後ろ倒しでクリスマスパーティーを開催する可能性もありと踏んでいたのですが、実際にクリスマス商品の動きを見てみると、売上げが高くなっていたのは25日までで、26日以降はあまり購入されていませんでした。今年は24日が金曜日、25日が土曜日ということで、去年よりも曜日回りはよくなっています。去年と同様、メインでクリスマスパーティーが開催されるのは24日となり、25日まではクリスマス関連商品が売れますが、26日以降はクリスマス色を排除し、年末年始に向けた売場づくりをしていく必要があるでしょう。

●2021年のクリスマス年末年始商戦で注目すべきカテゴリーとそのポイントは?

具体的にはどのような商品をどのように売っていけばよいのでしょうか。クリスマス、年末年始によく売れる商品については「どうなるどうするクリスマス年末年始商戦!その② ~クリスマス年末年始商戦を勝ち抜くポイント!農産部・水産部編~」「どうなるどうするクリスマス年末年始商戦!その③ ~クリスマス年末年始商戦を勝ち抜くポイント!畜産部・惣菜部・その他編~」に詳しく記載させていただいていますので、そちらをご確認いただくとして、今回はクリスマスについてはメインどころであるローストチキンとケーキについて取り上げたいと思います。

◇ローストチキンは惣菜・手作りともにコロナ禍以降の変化への対応が必要。

クリスマスに食べられるローストチキンには惣菜と手作りがあります。それぞれの売上げ推移を日別でみてみました。

ローストチキン惣菜や骨付き鶏はクリスマスに大きく売上げを伸ばします。ローストチキン惣菜は24日に強いピークが出て、25日にはその半分くらいの売上げとなっていますが、骨付き鶏に関しては23日から売上げが上がっており、24日のパーティーに備えて前日に購入しておく方に向けた品ぞろえが必要です。

骨付き鶏、ローストチキン惣菜それぞれについて売れる価格帯に変化はあったのか、2019年と2020年とで比較してみると、どちらも低価格帯の割合が下がり、高価格帯の割合が増えていることがわかりました。特に1000円以上の割合が増えています。外食がしづらくなっておうちクリスマスを楽しむにあたって、本格的な丸鶏のローストチキンを用意するようになったのではないかと思われます。

実際に丸鶏の注目度は2020年度飛躍的にあがりました。こちらは、グーグルでの「丸鶏」の週別で検索指数の推移を約5年分みたものです。丸鶏、というキーワードはどの年もクリスマス週に最もあがりますが、2018年から徐々にクリスマスの丸鶏の検索が増えており、2020年は前年に比べて大きく跳ね上がっています。スーパー各社のクリスマスカタログを見てもレッグよりも丸鶏が載っていることが増えており、2019年度と比べるとまだまだおうちで楽しむ方も多いと予測される2021年度のクリスマスにも丸鶏はしっかりと取り組む価値があるのではないでしょうか。

では、具体的にはどの日に丸鶏の販売を強化すればいいのでしょうか。

図⑥はローストチキン惣菜・骨付き鶏の日別での価格帯別売上げ構成比をみたグラフです。ローストチキン惣菜は24、25日が売上げのメインとなるので2日間で、骨付き鶏は23~25日の3日間をみてみました。すると、ローストチキン惣菜は24日、骨付き鶏は23、24日に高価格帯の割合があがっており、丸鶏を使って本格的な食卓にする方は24日にクリスマスパーティーを開催することがわかりました。逆に25日は500円台までの割合が大きく、25日のパーティーはレッグで雰囲気を楽しもう、という方が多いことがわかります。こうしたことから、今年は丸鶏を23、24日にしっかりと展開し、25日にはレッグを中心にした売場づくりをすることをお勧めします。また、ローストチキンにはどのような味付けが人気なのか、こちらも2019年と2020年の変化をみてみました。

ローストチキンに使われる調味料としては、てりやきのたれ、ローズマリーやバジルなどのハーブ系香辛料、ローストチキンのたれがあります。定番はてりやき味ですが、ハーブ系香辛料も意外と売上げボリュームがあり、2019年と比較すると伸びています。精肉売場ではてりやきのたれだけでなく、ハーブ系香辛料の関連販売やタレ漬け半製品を販売したり、ローストチキン惣菜もハーブ系の品ぞろえをしてみても良いのではないでしょうか。ローストチキンの食卓傾向についてイラストでまとめてみました。

手作り派に向けては23日からしっかりと売場を強化することが大切です。23、24日に買われる骨付き鶏は本格的な食卓のクリスマスパーティーに使用されますので、レッグだけでなく単価の張る丸鶏もしっかりと売り込みましょう。丸鶏の扱いに慣れていない方にも手に取っていただけるよう、作り方のPOPや鶏のおなかの中に詰める詰め物の提案、切り分け方のリーフレットなどの販促物を充実させることで、生活者に優しい売場づくりができるかと思います。また、25日はレッグの構成比がより高まりますので、品ぞろえに注意しながら簡単にできるタレ漬け商品や簡便調味料の併売に力をいれると良いのではないでしょうか。惣菜売場でも同じく24日には丸鶏のローストチキンを品ぞろえし、25日にはレッグを強化していきましょう。定番のてりやき味だけでなく、ハーブ系もしっかりと品ぞろえすることでいろいろな味を楽しんでいただくことができます。

◇おうちクリスマスの主役のクリスマスケーキはワンランク上の品ぞろえが狙い目。

クリスマスの主役と言えばやはり「クリスマスケーキ」ですが、コロナ禍において、以前よりも注目度が高まっているようです。

図⑨はグーグルでの「クリスマスプレゼント」と「クリスマスケーキ」の週別で検索指数の推移を約5年分みたものです。コロナ前は「プレゼント」の方が「ケーキ」よりも検索ボリュームがはっきりと大きくなっていますが、コロナ下の2020年は「ケーキ」が「プレゼント」とほぼ同じ検索頻度となっていることがわかります。おうちクリスマスの主役「クリスマスケーキ」の注目度が向上していること、お金をかけるようになってきていることがわかります。

実際のスーパーの売上げでもこの傾向がはっきりと出てきています。

図⑩は「クリスマスケーキ」も含まれる「洋風生・半生菓子」のスーパーでの売上げ推移ですが、クリスマス期間である2020年12月23~25日は前年比126%と大きく数字を伸ばしています。検索回数の増加は売上げの増加に直結することが多く、「クリスマスケーキ」もこの法則に従って好調な結果となりました。

クリスマス期間に「洋風生・半生菓子」の売上げが伸びた要因を売上げ分解式で詳しく見てみます。

売上げは「客数×客単価」に分解されますが、客数はさらに「ユニーク客数(1回でも買ってくれたお客さまの数、2回以上買ってくれたお客さまも1人と数える)×頻度」に分解でき、客単価は「1品単価×1回点数」に分解できます。こうしてそれぞれに分解して前年比を確認してみると、まずはユニーク客数が大きく増加していること、つまり新たに購入するようになったお客さまが大きく増えていることがわかります。外食ができない分、おうちクリスマスを楽しむようになった方が増えています。そして1品単価も大きく増加、つまり前年2019年のコロナ前よりも高いケーキ良いケーキが購入されるようになったこともわかります。せっかくのおうちクリスマスを少しでも楽しめるようにこだわりのケーキが買われているのでしょうか。今年もおうちクリスマス需要は一定数は存在すると思いますので、ワンランク上のクリスマスケーキの強化が大事になると考えられます。

また、手作りのクリスマスケーキも昨年に引き続きコロナ前よりも好調な数字になるのではないかと予測します。

図⑫はホイップクリーム・生クリームの売上げ推移です。直近では前年2020年並みの動きとなっており、一昨年2019年からは一段階上の売上げをキープしています。コロナ禍も長期化してきていて、生活者全体の傾向としては手作り疲れが出てきていますが、手作り菓子手作りケーキについては一定の需要を保っているようです。今年2021年の12月24日は金曜日でもあることから手作りケーキ需要は今年も期待できると思われます。手作りケーキ用に買われやすいものとしてホイップクリーム・生クリームの他では、いちご、スポンジ台、フルーツ缶、クリームチーズ、トッピング素材などが挙げられます。買い合わせしやすいように関連販売を強化していきましょう。

さらに、今年2021年のクリスマス及び年末に狙い目になるのではと予測するのがプレミアムアイスです。

少し数字が荒れていますが、プレミアムアイスはクリスマスから年末にかけての週に年間で最も良く買われています。2021年のプレミアムアイスの売上げは2020年を上回る週が多くなっており、特にゴールデンウィークやお盆など、イベント時の好調さが目立ちます。この流れで今年のクリスマスから年末週も伸びるではないかと考えています。クリスマスケーキとともにプレミアムアイスの強化もおすすめです。

◇おせちは単品おせちとお重おせち、それぞれに求められているコトに対応した展開を。

最後におせちについても少しふれていきます。

昨年2020年の予約おせちは一昨年2019年と比べると出足が鈍くなっていました。帰省するかどうか?食卓を一緒に囲むのは何人になるのか?などコロナ禍においての予定を決めきれずに様子見をしていたのではないでしょうか。一方で、今年2021年はまだ数字が立ち上がり始めたばかりの状況ではありますが、昨年、一昨年よりも少しですが好調な出足が伺えます。ニュースでも予約おせちは好調なようで、特に個食タイプの注文が多いと報道されているようです。

スーパーのおせち用商品もいろいろと販売されていますが、商品によって11月から徐々に売上げが伸びていく商品と直前になってから年末にぐっと上がる商品の2パターンがあるようです。

かまぼこは年末になってから売上げが向上していますが、なぜか数の子は11月下旬から早くも購入が増えてきています。試し買いとしてちょっとだけ買ってるのかなと思いきや、意外にも早くから売上げが立っているのは1,500~2,000円の比較的内容量の多い数の子商品でした。数の子好きのお客さまがお正月まで楽しめるように購入されているのでしょうか。こういった数の子のように比較的早くから売上げが増えてくるものには、乾燥豆や身欠きにしんがありました。ほとんどのおせち用商品はかまぼこパターンですが、例外もあるので、早めの品ぞろえが必要です。

さらにスーパーのおせち用商品について、購買価格帯の変化も調べてみました。

図⑯はスーパーのおせち用商品の2020年と2019年の価格帯別の売上げ比較です。2020年は前年よりも高価格帯が減少して、低価格帯の方が増加していました。2020年に売れていたおせち用商品を調べてみると、完成されたお重タイプよりは、単品おせちやセット物の方が増えていた状況でした。単品おせちの購入者の年末買い物では手作りおせち材料の購入が多いことから、ある程度手作りしながら足りないものを既製品で補う感じのようです。一方でお重おせち購入者では、お供えの果物やお花の購入が多くなっており、おせちの手作りまではしないが、お墓参りなどの伝統行事は欠かさないタイプの方のようです。

おせち用商品の単品おせちとお重おせち、それぞれを購入するお客さまの利用状況、求めているコトについてまとめてみました。比較的単品おせちは高齢層寄りで、お重おせちは若年層寄りになっています。それぞれの商品に求められているコトに注目しながら品ぞろえや売場づくりをしていき、お客さまが良いお正月を迎えられるお手伝いができるようにしていきたいですね。


直近のスーパーマーケットの部門別の売上げ状況では、青果・水産・畜産といった生鮮部門が前年並みか前年割れとなることが多くなってきており、逆に惣菜・冷凍食品は前年を超える状況が続いてきています。この流れは年末年始にも引き継がれそうな状況です。惣菜部門はこの勢いで強気でいって大丈夫と思いますが、生鮮部門はクリスマス年末年始に求められているコトを再度しっかりと把握した上での対応が必要になると思われます。昨年のクリスマス年末年始記事や今回の記事が少しでもお役に立てれば幸いです。

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