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新型コロナウイルスによるスーパー畜産部への影響は?何が伸びている?

先週、「新型コロナウイルスがスーパー農産部にどのような影響を与えているか?」についてお伝えいたしましたが、今回は畜産部についてみていきたいと思います。

●畜産部では特にひき肉の売上が増加中

図①は畜産部全体の1店舗あたりの日別売上推移です。比較しやすいように2019年と2020年の同じ曜日ごとに並べています。前年を超える日が続き、3連休付近で少し落ち着いたかと思われましたが、25日(水)の東京都での自粛要請、そして26日(木)の各県から都内や関東への移動自粛要請を受けて、再び大きく前年を上回りました。畜産部だけではなく、他部門でも25日以降同様の動きとなっています。

畜種別に前年比をみてみると、2/24~3/22の4週間計で、牛肉は108%、豚肉は111%、鶏肉は110%、ひき肉は114%となっており、どの畜種も伸びていますが特にひき肉の伸びが大きくなっています。図②は「ひき肉」の日別売上推移になりますが、平日休日に関わらず昨年を上回る日が続いています。

この「ひき肉」と一緒に購入されやすいものを調べると、購入されやすい順に、餃子の皮、トマト加工品、パン粉、ニラ、洋風加工調味料となっています。これらより、「餃子」や「ハンバーグ」によく利用されていることが想像出来ますが、今回は「餃子」の調理の段階別の動向をみてみたいと思います。

餃子の調理の段階としては、餃子の皮やひき肉を使う「手作り」、家で焼くだけの「半調理品」、買ってすぐ食べることの出来る「惣菜」と大きく3つに分けることが出来ます。 図③の週別の前年比推移をみてみると、イベント自粛要請や休校要請のあった2/24~の週は「半調理品」、ストック品が最も前年比が高くなっていますが、その後ストック需要は少し落ち着き「手作り」の伸びの方が高い週が続いています。(手作りは、餃子の皮とひき肉を同時に購入した際のひき肉の売上金額) 手作り、内食の需要が高まってきている中、さらにひき肉を買ってもらう為には、素材を重視するお客さま向けに鮮度感や店内挽きたてをアピールしたり、メニューに悩んでいるお客さまに向けて売場からメニュー提案をしたりといったことも有効になるのではないでしょうか。

●牛肉は和牛、豚肉はうす切り肉、鶏肉は大パックが狙い目

その他の畜種についても何が伸びているのか、動向を見ていきたいと思います。

まず、牛肉は産地別でみると、和牛と米国産牛の伸びが大きくなっています。和牛は元々高齢層に買われやすいのですが、直近の動向をみると特に若年層で伸びているようです。(図④) 20代~40代に絞って、どのような種類の和牛が購入されやすいかみてみると、図⑤のように、ボリュームの大きい焼肉用、切り落とし、ステーキ用も大きく伸びています。若年層はアソート品を好む傾向もあるので、焼肉用やステーキ用和牛の色々な部位の食べ比べといった取り組みも喜んでもらえるのではないでしょうか。

次に豚肉の状況です。豚肉は特に「うす切り肉」が昨年を上回る日が続いており、その中でも平日の伸びが大きくなっています。(図⑤)「うす切り肉」の中にはお好み焼き用肉も含まれていますが、お好み焼き粉も売上が伸びている事から、休校や春休みということもあり親子でお好み焼きを楽しむ人が増えている事が伺えます。また、「うす切り肉」は生姜焼きに利用される事も多いですが、生姜焼は玉ねぎなどの炒め用野菜と一緒に調理されることが増えてきています。炒め用野菜との関連販売もしくは豚肉と玉ねぎのキット品もチャンスとなるのではないでしょうか。

また、鶏肉の状況も調べてみると、昨年と比較し低価格帯の商品よりも500円以上の高価格帯の商品が買われやすくなっていることが分かりました。(図⑥)すなわち、大パック商品の需要が高まっている。まとめ買いされている。ということが考えられます。

このようなまとめ買い需要に対しては、昨年のミールソリューションフォーラム2019でもご紹介しましたが、図⑦のように大パックの隣で下味用の調味料やフリーザーバックの関連販売、そして作り置き用のレシピ提案といった売り場も喜んでいただけるのではないでしょうか。

●畜産部での簡便商品の状況は?

最後に、前回の記事で簡便商品が伸びているとお伝えしましたが、畜産部ではどのような状況なのでしょうか?味付き肉についてみてみます。

図⑨のように味付き肉全体としては前年並みの売上が続いており、直近で前年を超える日が多くなってきました。

味付き肉は、焼肉用やステーキ用、生姜焼き用ではなく、「味付きホルモン」(図⑧)と「その他味付き肉」(図⑨)の伸びが大きくなっています。図⑨の「その他味付き肉」は、ここ2週間程で特に伸びてきています。外食があまり出来なかったり、休校開始から日にちもたっていることから、家庭では再現しにくい味付けやド定番以外の味付けも求められるようになってきているのかもしれません。自社の販売データを見ると、精肉部さま向けの商品としてはガーリックペッパーやトンテキ用のたれが好調のようです。味付き肉は同じ簡便商品であるカット野菜と購入されやすいので、関連販売する事で客単価アップも見込めます。

外食を減らし手作りの割合が高くなっていますが、その一方で手作り疲れしてしまっている方もいるのかもしれません。まだまだ新型コロナウイルスに関して終息の兆しが見えない中、そのような方々に対し、簡便商品はさらに必要になってくるのではないでしょうか。

様々な報道を受け、スーパーマーケットにも大きな影響が出ており、その状況は日々変わっていっています。食未来研究室からも最新の情報を発信できるよう努めていきたいと思います。他部門についても引き続き発信予定です。


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