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ノンアルコール飲料はコロナ禍前からの好調を現在も継続中!伸びてる背景やトレンドはどうなってる?

コロナ禍以降の家飲み需要の拡大について、今、特に注目するべきなのがビールとノンアルコール飲料です。前回の投稿記事「ビールが新ジャンルから売上げ首位を奪還!その背景にあることとは?」では、ビールが伸びている背景について紹介させていただきました。今回の記事ではノンアルコール飲料に注目して、伸びている背景やトレンドについてお話していこうと思います。


●スーパーのノンアルコール飲料の売上状況について。伸びてきている背景とは?

◇スーパーのノンアルコール飲料の売上げ状況。

「ノンアルコール飲料」の定義としては、アルコール分1%未満のローアルコール飲料も含むことになっています。ただ、現時点でのスーパーでの「ノンアルコール飲料」の売上げは、アルコール分0.00%のものがほとんどを占めています。今後、アルコール分0.X%の低アルコール飲料も増えていくかもしれません。 それではさっそく、スーパーでのノンアルコール飲料の売上げについて見ていきます。

スーパーでのノンアルコール飲料の売上げは、コロナ禍前の2020年1月2月も前年を超えており、コロナ禍以降も順調に売上げを伸ばし、直近2021年6月も前年同月比121%とさらに勢いを増してきています。

図②は、「ノンアルコール」の検索数推移(グーグルトレンドより、フード・ドリンク限定)ですが、長期的に関心度が高まり続けており、関心度と相関して売上げも伸び続けてきています。

◇ノンアルコール飲料が伸びてきている背景と今後の動向について。

ノンアルコール飲料はどんな方が購入しているのか?アルコール飲料の購入者との関係性から調べていきます。

図③はスーパーでの直近1年間において、ノンアルコール飲料だけを買ったお客さま、ノンアルコール飲料とアルコール飲料の両方を買ったお客さま、アルコール飲料だけを買ったお客さま、の3つに分類して購入者数割合を調べてみたものです。アルコール飲料だけを買ったお客さまが全体の80%と多くを占めています。ノンアルコール飲料とアルコール飲料の両方を買ったお客さまは全体の16%で、ノンアルコール飲料だけを買ったお客さま3%の5倍以上の購入者数になっています。

さらに図③の3つのお客さまの分類それぞれでの、ノンアルコール飲料とアルコール飲料の年間平均購買回数を調べてみました。

年間平均購買回数でも、ノンアルコール飲料だけを買ったお客さまよりも、ノンアルコール飲料とアルコール飲料の両方を買ったお客さまの方が、ノンアルコール飲料の購買回数が多くなっています。さらにノンアルコール飲料とアルコール飲料の両方を買ったお客さまは、アルコール飲料だけを買ったお客さまよりもアルコール飲料の購買回数も多くなっています。

これら図③、図④より、ノンアルコール飲料の売上げの多くは、アルコール飲料を特に良く飲む方によって支えられていることがわかります。

いろいろな方が調べておられる、ノンアルコール飲料をなぜ飲むのか?アンケートでも「健康に気をつけたいから」や「休肝日をつくりたいから」といった回答が上位になっており、ノンアルコール飲料はお酒を良く飲む方の健康意識からの飲用需要が大きくなっているようです。

そしてこういった健康を意識したノンアルコール飲料需要は今後もさらに増えていくことが予想されます。

図⑤は、図③の3つのお客さまの分類それぞれでの、ノンアルコール飲料とアルコール飲料の売上げを増加させている要因について売上げ分解図で調べてみたものになります。注目していただきたいのがそれぞれの頻度の部分で、アルコール飲料の購入頻度はアルコール飲料だけを買ったお客さまも両方買ったお客さまも前年並みにとどまっていますが、ノンアルコール飲料の購入頻度はノンアルコール飲料だけを買ったお客さまも両方買ったお客さまもどちらも前年比106%と増えてきています。ノンアルコール飲料購入者も、アルコール飲料購入者も、購入者数はどちらも同じぐらい増えてきていますが、購入頻度がノンアルコール飲料の方が高いため、直近1年間の前年比はノンアルコール飲料が111%、アルコール飲料が105%、とノンアルコール飲料の方が伸びが大きくなってきています。 コロナ禍によって、生活者の健康意識の高まりが、脱アルコールやノンアルコール飲料の積極的な飲用を加速させてきています。

ノンアルコール飲料とアルコール飲料の両方を買ったお客さまのそれぞれの曜日別売上げ構成比を調べてみると、月曜日と火曜日のノンアルコール飲料の構成比が高くなっており、金曜日から週末にかけてはアルコール飲料の構成比が高くなっています。週の前半を休肝日にしようとしている意図が伺えます。

また、コロナ禍前からの大きな流れとして若年層のアルコール離れも進んできています。

図⑥は年代別の飲酒習慣のある人の割合のここ10年間での変化を調べたものですが、グラフの山が右に高齢層側に移動してきています。高齢層が増えたというよりはもともと飲酒経験がある方の年代がひとつ上になったという解釈の方が正確と思われます。そして若年層の減少の方は、まったく飲まない方が増えてきているというよりは、適度に楽しむ方、みんなと一緒の時だけ飲む方、といった、アルコールを軽く楽しむ方が増えてきているということのようです。

日本では飲酒習慣のコントロールの主な選択肢としては、アルコール飲料かノンアルコール飲料かの二択になっていますが、世界的には低アルコール飲料という第三の選択肢も伸びてきているようです。今後は日本でも低アルコール飲料カテゴリーが拡大してくるのではないでしょうか。

アルコールとの付き合い方が変化してきている今、ノンアルコール飲料、低アルコール飲料のニーズはさらに高まり続けるのではないかと思われます。

●ノンアルコール飲料のトレンドについて。求められている飲用シーンは?

◇ノンアルコール飲料の種類別売上げ状況。

スーパーでのノンアルコール飲料のカテゴリー別の売上げ割合を見てみます。

現時点のスーパーのノンアルコール飲料の売上げは、ビールテイスト飲料が約8割、カクテルテイスト飲料が約2割となっています。そして、ビールテイスト飲料、カクテルテイスト飲料、ともに月別売上げ推移としては、図①のノンアルコール飲料全体の動向とほぼ変わらない推移を示しており、どちらも好調な売上げを続けています。ノンアルコールワインなどは現時点ではまだ非常に小さい売上げのようです。

これらのノンアルコール飲料の飲まれ方として、アルコール飲料と大きく違う点があります。

図⑨のアルコールの棒グラフは、ビール類だけを買ったお客さま、ビール類とリキュール類の両方を買ったお客さま、リキュール類だけを買ったお客さま、の3つに分類して購入者数割合を調べてみたもので、ノンアルコールの棒グラフは、ビールテイスト飲料だけを買ったお客さま、ビールテイスト飲料とカクテルテイスト飲料の両方を買ったお客さま、カクテルテイスト飲料だけを買ったお客さま、の3つに分類して購入者割合を調べてみたものです。 ビール類とリキュール類では、両方を買っている方が38%もいるのに、それぞれのノンアルコール飲料に当たる、ビールテイスト飲料とカクテルテイスト飲料では、両方を買っている方は19%しかおらず、ノンアルコール飲料の場合はいろいろな種類のものを楽しむといった感じがまだアルコール飲料と比較して弱くなっています。要因のひとつとして考えられるのが、カクテルテイスト飲料がまだ甘いものやフルーティーな飲みやすさを重視したものが多く、甘くないもの食事に合うものが少ないため、食事シーンでの飲用ニーズをとれていないのではないかということです。ただ、最近ではカクテルテイスト飲料でも「甘くない」「お酒らしさ」を強調した商品が出てきて好調な推移を示しており、ビールテイスト飲料と両方買う方も増えてきているようです。

◇ビールテイスト飲料のトレンドについて。

ビールテイスト飲料では謳い文句を前面に出した商品が目立ちます。ビールテイスト飲料の謳い文句別の売上げ割合を調べてみました。

ビールテイスト飲料の謳い文句では、「カロリー・糖質ゼロ」、「カロリー・糖質・プリン体ゼロ」、「機能性」、それぞれを謳ったものが大きな割合となっています。健康訴求のない商品は13%に過ぎず、「特保」も含めて健康アピール商品が9割近くの売上げを占めています。

これらの謳い文句の商品の中で人気が高まってきているのが、「機能性」を謳ったビールテイスト飲料です。

機能性表示のビールテイスト飲料の中でも、内臓脂肪を減らす、を謳った商品の好調さが目立ちます。ビールテイスト飲料全体では60代をピークにした年代別売上げ構成比となりますが、内臓脂肪を減らす、を謳った商品は50代にピークがきており、40~50代のお腹周りが気になってきた生活者に支持されていることがわかります。

◇カクテルテイスト飲料のトレンドについて。

カクテルテイスト飲料では、フレーバー別の売上げ割合を調べてみました。

カクテルテイスト飲料のフレーバーでは、梅とレモンが2強となっており、以下、グレープフルーツ、カシスオレンジ、ゆず、ハイボール、と続きます。

カクテルテイスト飲料のフレーバー別の売上げ推移では、アルコール飲料のチューハイと同じく、レモンとハイボールの伸びが目立ちます。

図⑬はスーパーのカクテルテイスト飲料のフレーバー別でのここ2年間の月別売上げ推移です。梅とレモンが競り合いつつも、梅のリードが続いていましたが、直近ではレモンが抜け出してきました。また現時点では6位ではありますが、ハイボールもずっと右肩上がりで伸びてきています。

カクテルテイスト飲料の謳い文句の中で直近で急激に伸びてきているのが、「甘くない」「食事に合う」といったキャッチコピーの商品です。

図⑭はカクテルテイスト飲料について、「甘くない」「食事に合う」といったことを謳っている商品だけの売上げ推移をとってみたものです。直近ここ数カ月で急激に伸びてきており、図⑬のレモンの動きと同じことからレモンフレーバーの甘くない食事に合うタイプの商品がヒットしていることがわかります。アルコール飲料のチューハイでも甘くない食事に合うタイプの商品が売れてきていることから、カクテルテイスト飲料も甘くない食事に合うというのが人気のポイントになっていくと思われます。

◇ノンアルコール飲料の飲用シーンまとめ。

ここまで述べてきた、ノンアルコール飲料に求められているコトについて、飲用シーンでまとめてみました。

ノンアルコール飲料の飲用シーン別の市場規模としては、アルコール飲料を良く飲む人が健康を意識してアルコール摂取を控えるための飲用ニーズが現在は一番大きいと思われます。そのため、現在のノンアルコール飲料は健康意識の強い商品が売れ筋になっています。

また、ノンアルコール飲料はアルコール飲料と同じく夕食時の飲用が多いのですが、休日のお昼にもノンアルコール飲料の飲用ニーズが高まっているようです。

ノンアルコール飲料の中でもカクテルテイスト飲料は、リラックスシーンに飲む、甘くてフルーティーなものが多かったのですが、最近では甘くないレモンフレーバーやハイボールフレーバーのものなど、食事に合う商品が伸びてきています。

ノンアルコール飲料は、今はまだまだアルコール飲料の代わり的なポジションでの売上げが大きくなっていますが、今後は何かの代わりではなく、積極的に飲用するシーンがどんどん増えてくると思われます。


今回はノンアルコール飲料が継続的に伸びてきている背景や、最近のトレンド、飲用シーンなどについて記事にまとめてみました。ノンアルコール飲料市場は低アルコール飲料も含めて、新たなコンセプトの商品がどんどん出てきている成長市場です。変化するライフスタイルや食生活において、ノンアルコール飲料が貢献できる役割について考えていきたいと思います。

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