5月下旬の緊急事態宣言解除から約1ヶ月後の7月上旬からコロナ禍が再拡大してきてしまっています…。それと歩調を合わせるようにして、再びスーパーの売上上昇の兆しが見え始めました。ただ、売上上昇の中身を調べてみると、4月5月のコロナ禍の時とは少し違ってきているのかなと感じるところもあります。 今回は7月からのコロナ禍再拡大への対応を4月5月のコロナ禍の時と比較しながら考えていきたいと思います。
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過去にもお伝えさせていただいている通り、スーパーの売上は2月最終週の自粛要請・休校要請から売上上昇が続き、5月下旬の緊急事態宣言解除以降は少し落ち着いた動きになっていましたが、直近のコロナ禍再拡大の影響か再び売上上昇が再燃しそうな流れとなってきています。
ただ、以前投稿させていただいた「直近のスーパー の売上動向から考えるwithコロナ下で求められるコトとは?~コロナ禍以降も売上上昇が続いている商品、落ち着いた商品の違い ~」でもお話しましたが、それぞれの部門やカテゴリー、商品での動きはいろいろと異なってきており、それぞれの背景も違っているようです。いろいろなパターンを紹介していきます。
代表的な事例として「洋風スパイス」(シナモン、パセリ、ナツメグ、バジルなど)が挙げられます。
今回のコロナ禍による内食増加に伴って売上が上昇していき、ゴールデンウイーク週後半をピークに6月は少し落ち着いてきましたが、7月に入ってから再び増加度合いが激しくなってきました。この直近の動きを引っ張っているのが、どうもスパイスカレー用の香辛料ではないかと思われます。
特にこの中でもコリアンダーの増加は5月のピーク時以上の伸びを見せており、より本格的な味わいのスパイスカレーが求められてきているようです。また、クミンやガラムマサラが入っている買物カゴを調べてみると意外にも普通のカレールーが入っている場合も多くあり、普段のカレーをアレンジしている様子が伺えます。
似たような事例で麻婆メニューでも同じことが起きています。
花椒の買物カゴでも、豚ひき肉や豆板醤・甜麺醤が入っていて、手作り本格麻婆を作っていることがわかる場合が多いのですが、市販の麻婆の素が入っている場合も結構多くあり、普段の麻婆メニューに一工夫しようとされているようです。
こういったスパイスカレーや本格麻婆への取組みが増えてきていることから考えると、4月5月のコロナ禍でもあった「新たな手作り料理へのチャレンジ」という動きは7月以降のコロナ禍でも再燃してきているのではないでしょうか。
今回のコロナ禍をきっかけに目立って伸び始め、その伸びが現在も続いているものの事例としては、冷凍野菜やカット野菜が挙げられます。
冷凍野菜もカット野菜も2月最終週までは赤線は青線とくっついていた、すなわち前年と同じぐらいの売上だったのが、コロナ禍を口火にして赤線が青線を上回り始め、前年を大きく超える売上が続いてきています。野菜については長梅雨による天候不順から高騰が続いているため、比較的に売価が安定している冷凍野菜やカット野菜は今後も強く支持され続けることが予想されます。
他の部門でも冷凍魚が同じような動きとなっています。
冷凍魚も冷凍野菜やカット野菜と同じく、コロナ禍が引き金となって利用が増え始め、支持が長く続いてきています。
これら、冷凍野菜やカット野菜、冷凍魚の売上上昇が続けていることからは、今後のコロナ禍においても「簡単手作り料理・短時間で作れる料理」という動きは根強く支持されると思われます。
今回のコロナ禍で大きく売上を伸ばしたものの、現在は落ち着いた動きになっており、7月からのコロナ禍再拡大でも伸びが見られないものも多くあります。例えばレトルトカレーもそのひとつです。
レトルトカレーは2月末の自粛要請・休校要請や4月頭の緊急事態宣言などで大きく売上を伸ばしましたが、徐々に落ち着いた動きになってきており、直近でも特に目立った動きはありません。他の多くのレトルト商品や乾燥パスタなども同じような動きのものが多いことから、4月5月のコロナ禍であった「日持ちのするもののストック需要」の重要性は低くなっているということがわかります。
また、7月からのコロナ禍再拡大であまり伸びが見られないものに麺類があります。
一例として生ゆでうどんの売上状況を載せましたが、3~5月は赤線が青線を上回っている、つまり前年よりも売上が伸びていましたが、直近の7月は前年並みにとどまっています。麺類を代表として、4月5月のコロナ禍で「平日のお昼ご飯需要」で伸びていたものは直近での伸びは小さくなっているようです。
今回は7月からのコロナ禍再拡大を受けて、4月5月のコロナ禍での消費動向と比較した同じところ・違うところから求められるコトの変化を見てみました。「新たな手作り料理へのチャレンジ」や「簡単手作り料理・時短料理」といった需要が再燃してきたり、継続していたりする一方、「ストック需要」や「平日昼食需要」は落ち着いた動きになっていました。
残念ながらコロナ禍は当初予想されていたよりも長期戦となりそうな雰囲気です…。今回の記事でも取り上げたように普段のカレーのアレンジが増えてきていることなどからも「うちごはんへの飽き」が出てきているのではないでしょうか。外食目線からはテイクアウトやデリバリーをアピールするチャンスでもあり、スーパーなどの流通目線からは飽きさせないような商品づくりやメニュー提案がより重要となってきています。
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