• 日本食研グループのシンクタンクとして「食」を分析し、食ビジネス活性化のための情報発信を行います

【速報】3月後半の各業種の消費状況。伸びるテイクアウトとデリバリーの現状

目次

●3月後半はEC以外の業種でマイナスが続く

図1はJCB消費NOWから引用させていただいた各業種別の2020年2月後半、3月前半、3月後半の前年比のグラフです。 クレジットカードでの各業種への支払い状況から消費動向がつかめます。3月後半は新型コロナウィルスの影響で前半以上に外出が控えられ、EC以外の業種全てでマイナスとなっています。

図2は飲食料品小売業を更に細分化して見たものですが、百貨店はインバウンド需要の減少や休業などで減少幅が拡大しています。コンビニは3月後半は増加となっていますが、既存店の3月全体の実績は大手の各企業ともにマイナスと発表されていました。スーパー、酒屋は巣ごもり消費をうけ、3月前半に続き高い増加率を維持しています。

図3は外食店を細分化して見たものです。居酒屋は少しだけ減少幅が小さくなっています。外食全体としては10%以上の落込みですが喫茶店、カフェは増加を維持しています。テイクアウトの売上構成比が高い事が増加要因になっているのかもしれません。

●非常事態宣言でテイクアウト、デリバリーの検索が増加

図4は外食企業の3月の既存店の売上前年比をまとめたグラフになります。新型コロナウィルスの感染拡大の防止のため、外出自粛、テレワークなどが進み、500円ランチの導入などで好調だった日本KFCホールディングスが3月の前年比8.2%増となっている他は非常に厳しい状況になっています。
この中でも比較的堅調なのがテイクアウトの売上構成比が35%前後と高い割合を占めるハンバーガー店、牛丼店といったファストフードの業態となっています。

図5はテイクアウトとデリバリーのGoogle Trendsでの検索状況を見たものです。テイクアウト、デリバリーともに週末に検索が増えていましたが、外出自粛要請、緊急事態宣言が出てからは特にテイクアウトの検索が3月上旬の5倍ぐらい増えてきています。新型コロナウィルス対策は長期化してきており、店内飲食の利用増が見込めない現状では外食店ではテイクアウトやデリバリーの強化が必要になってくるのではないでしょうか。

図6は同じく Google Trends で「テイクアウト」の直近(4/7~12)の都道府県別の関心度の強さを見たものです。上位には青森や山梨、静岡、福井など非常事態宣言が出ていない県での「テイクアウト」に対する関心度が高く、店内飲食から持ち帰りへの意識が地方でも強まってきている事が伺えます。

図7は同じように「デリバリー」の直近(4/7~12)の都道府県別の関心度の強さを見たものです。テイクアウトと違ってデリバリーのインフラが整っている神奈川、大阪、東京など大都市の方が上位に来ているようです。

図1にもありますように、外出自粛で3月伸びているのは業種別に見るとECだけという状況です。図7はEC、インターネットを利用した支出全体とインターネット利用の出前(デリバリー)の支出状況を指数にして見たものです。インターネット利用の出前は全体よりも大きく伸びてきており5年間で4倍に増えてきています。

図9はインターネットを利用した出前(デリバリー)の年代別の月別の支出金額の推移を見たものです。支出が大きいのは30代以下ですが、60代でも利用は増えてきており、新型コロナウィルスの影響により更に利用が増えていくことが予想され、外食店ではインターネットやアプリを利用したデリバリー体制を確立していくことが必要になってくるのではないでしょうか。


記事についてのお問合せはこちらから
記事・データの商用目的での使用はご遠慮ください。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です