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ひなまつり~2025年の振り返りと2026年に向けた対策~

3月3日のひなまつり。スーパーマーケットにとっては寿司カテゴリーを中心に大きな商機となる重要なイベントです。しかし、2025年のひなまつりは月曜日だったこともあり、多くのカテゴリーで苦戦を強いられる結果となりました。今年のひなまつりも火曜日と平日開催のため、前年度の結果を参考にできるのではないでしょうか。
本記事では、2025年のひなまつりの販売状況を振り返りながら、2026年に向けた対策についてお話していきます。


●ちらし寿司は曜日回りの影響大。海鮮ちらしへのシフトが進む

まずは、ひなまつりの主役ともいえるちらし寿司の状況から見ていきます。

図①は2024年と2025年のひなまつり当日のちらし寿司の売上金額PIです。2024年は日曜日だったことに対し、2025年のひなまつりは月曜日だったこともあり、前年比で25%減と大きく落ち込む結果となりました。ただし、年間平均と比較すると11.9倍も売れており、ひなまつりがちらし寿司にとって非常に重要な日であることに変わりはありません。

図②の価格帯別の売上構成比を見ると、2025年は月曜日だったためか300円台が最も売上が高くなっています。年間と比べると高価格帯のものが売れる傾向にありますが、2025年は1200円以上の高価格帯の売上構成比が減少しています。平日のひなまつりでは、より手頃な価格帯が選ばれやすいことが分かります。

また、各スーパーにおけるチラシでの訴求状況を見ると、今回確認できた63社のうち海鮮ちらしが109種、五目ちらしが53種と、海鮮ちらしの掲載数が五目ちらしを大きく上回っていました。加えて、確認できている限りでは、年々海鮮ちらしの割合が増えている傾向にありました。

図③のとおり、単価別のチラシ掲載件数を見ると、五目ちらしは300円台から400円台がメインの価格帯となっています。一方、海鮮ちらしは600円台から700円台が最も多く、次いで900円台となっています。具材の内容としては、まぐろ、サーモン、カニを訴求したものが多く見られました。

2026年も火曜日開催のため、平日需要を見据えた300円台から400円台の手頃な価格帯の五目ちらしと、週末需要を狙った600円台から900円台の海鮮ちらしの両方を充実させることが重要です。特に海鮮ちらしは年々ニーズが高まっているため、まぐろ、サーモン、カニなどの人気素材を使った商品を2月28日の週末から3月3日にかけてしっかりと訴求しましょう。

●にぎり寿司は前年比36%減。低価格帯へのシフトが顕著

続いて、にぎり寿司の状況を見ていきます。

図➃のとおり、にぎり寿司は今回調べた寿司カテゴリーの中で最も曜日の影響を受けた商品となりました。2024年が前年比で32%増と好調だった分、2025年は前年比36%減と大きく落ち込んでいます。また、年間と比べると1.2倍の売上となっており、ちらし寿司や寿司種セットほどひなまつりに特化した商品ではないことがうかがえます。

価格帯別の売上構成比を見ると、2024年に比べて低価格帯にシフトしています(図⑤)。特に500円台の構成比が大きく上がっており、1500円以上の高価格帯の売上が大きく下がっています。平日開催の影響で、より手軽な価格帯のニーズが高まったと考えられます。ただし、普段に比べて900円台の商品もひなまつりは特化しており、500円台に加えて普段より高価格帯の品揃えも必要そうです。

2026年も火曜日のため、1000円前後の商品も品揃えしつつ、平日の個食需要を意識した500円台のにぎり寿司の品揃えを強化することで、ひなまつり当日の売上を確保できるのではないでしょうか。

●寿司種セットは年間平均の21.7倍売れる重要カテゴリー

ひなまつりに特化したカテゴリーとして、寿司種セットもあげられます。

図⑥で見られるように、2025年は前年比28%減と厳しい結果となりましたが、年間と比べると21.7倍も売れています。曜日回りの影響は受けるものの、ひなまつりに欠かせない商品であることが分かります。

価格帯別の売上構成比を見ると、900円台と1200円台から1300円台に売上の山ができています(図⑦)。2024年と比較すると物価高の影響もあってか、若干高価格帯にシフトしていることがうかがえます。

図⑧のチラシ掲載状況を見ると、ちらし用セットと手巻き用セットでは価格帯に違いがあります。ちらし用セットは900円、1200円程度の商品が多く、比較的手頃な価格帯となっています。一方、手巻き用セットは1300円台、1500円台、1900円台が多く、2000円以上のものも見られました。また、魚の種類も見ると、ちらし用で9種類、手巻き用で6種類から7種類が最も多くなっていました。

週末の家族需要を取り込むため、2月28日から3月1日にかけて900円台から1200円台のちらし用セット、1300円台から1900円台の手巻き用セットをしっかりと展開し、当日の火曜日も継続して品揃えを維持することで、平日・週末双方の需要をカバーしましょう。

●子どもが喜ぶ特価品でひなまつりパーティーを盛り上げる

ひなまつりは寿司だけではありません。子どもが喜ぶ商品も大きく売上を伸ばします。

図⑨は、2月から3月の月曜日と比べて、ひなまつりに売上が大きく上がっているもののうち、子どもが好む商品を抽出したものです。オードブル惣菜は通常の月曜日の318%、フライドチキン惣菜は143%とひなまつりに大きく特化しています。その他にも、サラダ盛り合わせ、いちごは136%など、これらはひなまつりには欠かせない商品となっています。

オードブル惣菜の日別売上推移を見ると、2025年のひなまつりは月曜日だったため、3月1日から3日にかけて売上の山ができています(図⑩)。実際、チラシでも3世代でのひなまつりパーティーを訴求している企業が多く、週末から当日にかけて需要が高まっていることが分かります。

今回調べた中で最も顕著にひなまつり付近の売上が上がっていたのがフライドチキン惣菜でした(図⑪)。こちらも3月1日から2日の土日の売上が大きくなっています。2026年のひなまつりは火曜日のため、再び平日開催となります。2月28日から3月2日の週末にかけて大きく展開すると良さそうです。


今回の記事では、2025年のひなまつりの振り返りと、そこから見えてくる2026年に向けた対策についてお話しました。2025年は月曜日開催ということもあり厳しい結果となりましたが、2026年も火曜日開催のため、同様に平日開催となります。しかし、2025年の結果をもとに週末の展開や当日の品揃えの工夫をすることで、売上を確保することができるのではないでしょうか。


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