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スーパー農産部の野菜の中で一番売上の大きいトマト。食卓での利用メニューやスーパーでの訴求方法は?

スーパー農産部の野菜の中で一番売上が高い品目は何かご存知でしょうか?
すでに題名に書いてしまっていますがトマトの売上が一番大きくなっており、農産部にとって重要な品目です。このトマトは誰がどのように利用しているのでしょうか?また、どのように訴求していけばいいのでしょうか?今回は、トマト缶などのトマト関連商品と合わせて考えていきたいと思います。


トマトは野菜の中でも重要な品目!

まずはスーパー農産部の野菜各種の売上金額をみていきます。

こちらは年間の売上金額の大きい30品目になります。1位が丸のトマト、2位がミニトマトとなっており、両方を合わせるとトマトは圧倒的に大きな売上となっていることが分かります。

また、数量ベースでも見てみると、丸のトマトとミニトマトのそれぞれではキュウリやもやしなどに負けてはいますが、合計すると1位のキュウリを超える値になってきます。

つまり、トマトは農産部にとって重要な品目であり、お客さまに継続して購入して頂けるようにしっかりと売り込んでいく必要があります。

丸のトマトとミニトマトについて

トマトの基本情報

まずは丸のトマトとミニトマトがスーパーでいつ売れるのかをみてみます。

こちらは丸のトマトとミニトマトの週別売上推移です。どちらも5月頃と8月頃に売上の山が出来ています。暖かくなり始める4月頃から上がり始め、5月に1度目のピークがありますが、少し肌寒くなる梅雨の時期にやや売上が下がります。そして、梅雨明けの頃に再び売上が増加し始め8月頃に2度目のピークをむかえます。トマトはサラダ等の冷たいメニューに使われることが多いため、少し肌寒い梅雨の時期には需要が減少するのかもしれません。

図③の通り丸のトマトもミニトマトも売上は似た動きをしていますが、購入層は異なっています。

丸のトマトは圧倒的に高齢層に買われやすく、ミニトマトは若年に寄っていることが分かります。丸のトマトは長期的には減少傾向、反対にミニトマトは増加傾向となっており、丸のトマトに対する施策が特に必要になってきていますが、この丸のトマトの売上を上げるためには現在購入の少ない若年に対する施策を行っていく必要がありそうです。最近では農産部で丸のトマトを使ったサラダを販売するお店が増えてきていますが、丸のトマトを食べてもらう、美味しさを知ってもらう施策の一つとして良い取り組みなのではないでしょうか。

トマトの利用メニューについて

丸のトマト、ミニトマトのどちらもサラダに最もよく使われていますが、一緒に使われる野菜は少し異なっていました。

丸のトマトはサラダで食べる際に包丁を使う必要があるため、一緒に買われる野菜も包丁を利用するものが買われやすくなっています。逆にミニトマトは包丁を使わなくても良いため簡便志向の方に買われやすくなっており、一緒に買われる野菜はミニトマト同様包丁を利用しないベビーリーフなどが買われやすくなっています。もちろん丸のトマトとベビーリーフやリーフレタスも買われやすい組み合わせではありますが、ミニトマトとの方が相性が良くなっていました。関連販売やサラダのレシピ提案をする際には、丸のトマトとミニトマトは全く同じ訴求をすれば良い訳では無さそうです。

次に、トマトへの関心について見てみます。

こちらはトマトのフード・ドリンクカテゴリーでの月別検索数推移で、検索数の1番多い月を100とした時の指数推移になっています。コロナ禍以降トマトの検索数は増えていることが分かります。トマトはサラダに使われていることが最も多いと記載しましたが、他のメニューのレシピ検索も増えているようです。

トマトと一緒に購入されやすい調味料をみてみると、ドレッシングなどのサラダ関連調味料の他に、丸のトマトはトマトと卵の炒め物やミネストローネ、キーマカレーの素などと一緒に買われやすく、ミニトマトはアクアパッツァやマリネ、アヒージョの素などと一緒に買われやすくなっていました。トマトを飽きずに購入して頂くために、こういった調味料との関連販売やレシピ提案も良いかもしれません。

トマト関連商品について

続いて、トマト缶などのトマト関連商品についても見ていきたいと思います。

こちらはトマト関連商品2021年の売上金額です。常備調味料のケチャップの売上が最も大きく、カットトマトやトマトソースが続きます。

次に、これらが購入されやすい年代を調べてみました。

こちらはトマトとトマト関連商品の年代別売上構成比です。丸のトマトやミニトマトに比べて、どれも若年層に買われやすくなっていました。若年層は丸のトマトよりも簡便利用の出来るミニトマトを購入しやすいことは前章でもお話しましたが、トマト関連商品はさらに若年層に利用されやすくなっています。

では、これらはどのように使われているのでしょうか?一緒に買われやすい商品と作られているメニューをまとめてみました。

ケチャップは必要な時に購入するのではなく無くなったら購入する傾向が強く一緒に買われやすい品目に特徴が出にくかったのですが、トマト缶やトマトソースは比較的同じような傾向が出ていました。乾燥パスタ、ひき肉は特に一緒に買われやすく、ミートソースパスタを作っていることが予想できます。また、それぞれの特徴としてトマトソースはホワイトソースと買われやすくドリアやグラタンに使われていたり、トマト煮用調味料とも買われやすくトマト感をプラスするために使われていたりしています。カットトマト、ホールトマト、ピューレはカレー用スパイスと一緒に買われやすく本格カレーに使われていることが予想できます。ミートソースパスタなど若年に利用されやすいメニューに使われやすいという事も、図⑧の若年の買われやすさに繋がっていると考えられます。

トマト関連商品を含めると使われるメニューの幅が大きく広がりますので、トマトが旬となる時期には丸のトマトとミニトマトだけではなく、トマト関連商品も含めたトマトフェアも良いのではないでしょうか。


今回はこれから需要が高まっていくトマトについて取り上げました。旬の食材を美味しく食べてもらうために、旬であることのアピールはもちろん大切です。旬をアピールしつつ、関連販売やレシピ提案など工夫しながら訴求をすることで、さらなる売上につなげていきましょう。


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