オミクロン株の影響で、新型コロナウイルスの感染者数がまた増加してきてしまっています。感染者数の増減はスーパーの売上にも影響を与えますが、お彼岸に売上が上がる花類や和風生菓子は比較的コロナ禍の影響を受けにくくなっていました。感染者数の増減に関わらず売り場の準備が出来るイベントであるお彼岸について、今回はみていきたいと思います。なお、今回は春のお彼岸で分析を行っていますが、春のお彼岸、秋のお彼岸にそこまで大きな違いはありませんでしたので、どちらにも参考にしていただければと思います。
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2022年のお彼岸の日にちはこのようになっています。
お彼岸は曜日の影響をあまり受けませんが、2022年は春分の日、秋分の日ともに3連休となっており遠方のお墓参りでも行きやすい日程になっているのではないでしょうか。
お彼岸にスーパーで特に売上が上がるのは、プロローグでも挙げた花類と和風生菓子となっています。では、これらの商品はどのような方が購入しているのでしょうか?
こちらは花類と和風生菓子の年代別売上構成比です。どちらも食品全体に比べて高齢に片寄っており、これは普段(年間)でもお彼岸でも変わりません。お彼岸の商品は、特に高齢のお客さまの多いお店で強化が必要です。
まずは、お彼岸に特に特化する品目である花類について少し詳しく見ていきたいと思います。
図③は花類の週別売上推移です。お彼岸の花類は、お盆、年末に次いで高い売上となっています。コロナ禍の影響で外出が減り、花類の売上も減少してしまったかな?と思いきや、特にそのような傾向は見られませんでした。2022年の春のお彼岸はオミクロン株の影響で新型コロナウイルスの感染者数が多くなっている可能性も大きいですが、コロナの影響を受けにくいため強気の売り場づくりをしても大丈夫そうです。
では、いつからいつまで強化すればよいのでしょうか?
花類の2021年3月の日別売上推移を見てみると、彼岸の入りの直前の土日から売上が上がり始め、春分の日あたりがピーク、その後はがくんと売上が落ちていることが分かります。2022年の春のお彼岸は3/12(土)頃から徐々に売り場づくりをはじめ、3/18(金)~3/21(月・祝)で特に強化、秋のお彼岸は9/17(土)~9/23(金・祝)で強化していきましょう。
購入されやすい価格帯についても見てみます。
図⑤は花類の価格帯別売上構成比です。300円台が最もボリュームが大きいのは普段と変わりませんが、普段より高単価の400円以上の商品も購入されやすいことが分かります。300円台をメインに、いつもよりも高価格帯の商品も品揃えしていきましょう。また、昔はお供えのお花といえば和風の仏花でしたが、近年では見た目の華やかな洋風仏花やお供え用のブーケなども見かけることが多くなってきています。定番の仏花だけではなく、最近のトレンドに合わせた商品も品揃えすることでお客さまにさらに喜んでいただけるのではないでしょうか。
もうひとつ、お彼岸に強化するべき品目としておはぎ・ぼたもち(和風生菓子)があります。
図⑥は和風生菓子の週別売上推移です。コロナ禍以降好調が続いている和風生菓子ですが花類と同様にお彼岸に大きな山が見られます。
そして、強化するタイミングも花類と同様です。
彼岸の入りの直前の土日から春分の日・秋分の日までしっかりと売り込んでいきましょう。
また、和風生菓子の価格帯は図⑧のようになっていました。
ボリュームが大きいのは100円台の商品ですが、お彼岸は200円以上の商品の構成比も普段より高くなっています。品揃えは100円~200円台を中心に行いつつ、300円以上の高価格帯も品揃えするのが良いのではないでしょうか。特に最近ではフラワーボックスの様に見える花に似せたおはぎが話題を集めてきています。このような映えるおはぎの品揃えも良いのではないでしょうか。
花類、和風生菓子を取り上げましたが、他にお彼岸にチャンスのある商品は何があるのでしょうか?お彼岸に花類、和風生菓子を購入する高齢層が一緒に購入しやすいものをまとめてみました。
花類や和風生菓子に比べて売上金額は小さくなりますが、お供え用の果物やお菓子、手作りおはぎ・ぼたもち用のもち米や乾燥豆などが購入されやすくなっていました。おはぎ・ぼたもちのレシピ検索はお彼岸の時期に多くなり、年々検索数が増加してきています。手作りのボリュームは小さいですが、お店側からレシピ提案や関連販売などの仕掛けを行うことで購入を促すことが出来るのではないでしょうか。
今回は、コロナ禍の影響を受けにくいイベントであるお彼岸について取り上げました。新型コロナウイルスの感染者数が増加傾向にありますが、お彼岸の関連商品については影響をほぼ受けないのでいつも通りしっかりと強化していきましょう。
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